生存者

アトリエで描いていたら、教授に「陰気な絵を描く人は絵の全体から暗い雰囲気が漂っているが、あなたの絵は色が明るい」と言われた。要は「あなたの本質は陰気ではない」と言いたかったのだろう。 私は大学に入ってから、なんて理屈っぽくなったのだろうと思う。卒業時には、すでに可視世界への興味を失っており、観念の世界を形にしようとしていた。

二人の女が象徴するのは、欲望と理性。二人は寄り添いながらも向き合おうとしない。遠景に見える廃墟と赤い空は、未来への展望が見えないまま浪費される日常を表している。この絵は卒業制作展に出品した。最後の講評会で「前のように幻想的な方が良かった」と評された。

それもそうだ。絵を見る側としては、幻想的な方が心地よい。しかし私は、心の混沌を整理し体系化したかった。それを追求した結果、本来大学で学ぶべき美術から外れてしまった。その後、私は絵画よりも、もっと刺激的で攻撃的な、広告デザインの世界へ参入することになる。

生存者
生存者 油彩 キャンバス F100 1992

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