小説を書くことにも、大量にデザインの仕事をこなすことにも限界が見えてきたのが35歳だった。頑張れば頑張るほど本来の私から離れていく気がして、一度、頑張ってきたことから離れてみようと思った。
2005年に分譲マンションに引っ越し、翌年娘を妊娠した。お腹が大きくなるにつれ、体が物凄い力で大地に引っ張られるようだった。つわりがひどく、何度も吐いた。夫がご飯を作り、母が実家から飛んできた。こんなに弱気になったのは十数年ぶりだった。誰かの力を借りなきゃ生きられない自分を実感した時、助けてくれる人たちを心底ありがたいと思った。
娘が生まれてから、以前のように小説を書けなくなった。とにかく頭が働かなかった。今まで心ではなく頭で文章を書いていたのだ。なんて面倒くさいことをしていたのだろうと思った。その代わり、カーテンからこぼれる朝陽や、12階の窓に映る真っ赤な夕焼けを、妊娠前の何倍も美しいと感じるようになった。この感動を形にして残したかった。こうして、デジタルアートの制作を本格始動させることになった。
佐藤智美 6月の午後 色鉛筆・アクリル絵の具・CG/紙 2007
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