四次元空間を描く。

騎馬に乗っているのは、日本絵巻に登場する戦国武将ではなく、現代の若者だ。甲冑ではなく、カウボーイのような服装をして、一人は未来のゆく末を案じ、もう一人は道を指さしている。背景には、銀河、桜、百合、菖蒲。日本の自然美がグラフィカルに構成され、若者のめざす世界が夢に満ちあふれているようにも見えた。

松山氏の描く人物には主張を感じない。彼の描こうとしているのは人間そのものではなく、私たちの存在する空間だからだと思う。ここでいう空間とは4次元空間だ。私たちは単体として存在しているのではなく、他者や様々な事象と共にいる。自然現象、時間の中で、私たちの感情がある。それらは未来へ向かって少しずつ変化していく。空間を構成するものが変わると、私たちの関わり方も変わっていくからだ。
だとすれば、私たちが「今、ここ」に関係するもの全て捉えて、じっくり味わっていくことが豊かさに通じるのではないか。

最近は、人物に焦点を当てて描くことに限界を感じていた。感情だけに囚われていると他の視点を見失って、行動を狭めていく。でも感情とは、あくまでも人間の精神世界だ。そこに留まり続けていると、人生の全体を捉えることができなくなる。
「今、ここ」の感情だけでなく、それを作っている要因まで見ていくことで、過去から未来へと世界はつながっていき、私たちの可能性も見えてくるのではと思った。


TOMOKAZU MATSUYAMA Spiracies No Surprises 2021
(KOTARO NUKAGA GALLERY様より)

About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール

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>言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美

言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美

いろいろなものの影響を受けて
合理的に変わっていく生活の節々で、太古から引き継がれてきた私たちの感情が
、社会の波動を受けて揺れた瞬間を切り取って書いています。

生まれては死んでいく運命を持った
人間である限り、変わらないであろう幸せのヒントがそこにあると思うからです。


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