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「女は家庭を守るべき」?

夕食時に家族と一緒にクイズ番組を見ていた。挑戦者の回答が正解すると獲得金額が上がっていき、全問正解すると300万円を持ち帰ることができる。現在子育て中の元アイドルが出ていて、子育て用品を買うために報酬を持ち帰りたいと言った。
いくつか回答に成功し、50万円獲得したところで、司会者が「このままクイズに正解し続ければ、持ち帰り金額は上がりますが、回答が不正解だったら、全額失います」と、彼女に進退の決断を委ねた。
「挑戦しないと周りからなんか言われるかもしれませんが、私は賞金を持ち帰りたいので、ここでやめます」
番組は「母は強し!」と、派手にハッピーな演出をして、彼女のクイズを終了した。

なんとなく不快だった。周りがなんかいうかは別として私だったら挑戦する。しかしそれよりも、挑戦しない母親を奨励するテレビの演出に苛立った。
次の日、心理学学校で私はこのことをみんなに話した。すると、他の受講生が「この人が挑戦すれば挑戦したで番組は祝福すると思います」と言った。胸の中で窮屈に膨らんでいたものに、突然、スッと抜け穴ができた感じだった。

「女は家庭を守るべき」「母は子供の世話をするべき」
昔から日本の社会に根付いているこのスローガンは、女性の幸せを制限するだけでなく、男性の女性依存も助長している。しばしば女性起業家が「ママ起業家」「○児の母」という言葉をプロフィールに載せて女性の共感を集め、ビジネスにつなげようとするのを見ると、日本女性がいまだに社会的圧力から自由になれていないことを感じてしまう。
家に居座って「夫が…子供が…」と愚痴るのだったら、みんなが自由になるべきだ。〇〇の母、〇〇の妻という立場から解き放たれ、自分の感じ方や生き方に自信を持つべきだと、切実に思ってきた。

だけど「挑戦した人も祝福される」と、さらりと言われた時、突っ張っていた肩の力がスッと抜けた気がした。

私はなぜ反発していたのだろうか。
突き詰めて考えていくと、また心臓が膨らんで胸を圧迫する。
動悸の原因は多分、これだ。

竹久夢二「APL・FOOL」 大正15年(1926)


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