1970年代の、優しい空気。

小学生の時、母に連れられて美術館で見た。大きな画面に広がる青に、深い水の優しさを感じた。まだ夜明け前の時間帯なのだろうか、悠々と流れる水辺に立つ女性は、一日の生活源を携え満足げな笑みを浮かべている。
朝霧の労働風景はとても優美だった。近寄って見たら、ざらついた油絵具が隅々まで塗られ、手の込んだ作家の仕事に驚いた。

杉山寧さんの画集は私の本棚にもあり、女性像を取り巻く空間の奥行きのある優しさは、子供の頃感じていた空気を記憶の淵から呼んでくる。
1970年代、公団住宅の4階の角部屋。和室が3つ続いて、突き当たりに窓があった。灯をつけない部屋は昼でも暗いが、窓から差し込む薄日は、とても優しかった。一人でレースのカーテンにくるまって遊んでいた時の、あのひんやりとした窓ガラスの感覚をまだ覚えている。

杉山寧 水 1965年

TOMOMI SATO
————————————————-
【Official Site】https://www.ts-artworks.com/
【Art Shop】https://artworks2017.thebase.in/
【Facebook】https://www.facebook.com/t.sato.artworks/
【Instagram】https://www.instagram.com/tomomiart8425/
【Blog】https://tomomiart.tokyo
【E-mail】tommys1970@ab.auone-net.jp

スポンサーリンク