初めて加山又造の作品を見たのは、確か小学生の頃だったと思う。「初月屏風」と名づけられたこの作品は、凄まじい天空活劇を思わせる。
灼熱の太陽が去り、熱を失なって慄いた風が妖しくうねりながら大地へ押しよせ、雲海を揺らす。朽ち始めた草木が不安にざわめき、冷徹な三日月がその様を静かに身守っている。
この絵を見たとき、ああ、自然にも命があるのだ、生きているんだ、と思った。
「やまと絵」と呼ばれている、と大人から聞いた。「やまと」とは大昔の日本の呼び名だ。目に見えないものに命を吹き込む鋭い感性に、私は誇りと敬意を感じた。
風にも、雲にも、山にも、呼吸があり、それらは時には荒々しく、時に優雅に、動いていは絡まり、共鳴しあう。人間界と同じことが、自然界でも起きている、と感じたとき、私の小さな命が、広大な世界とつながったような、不思議な感覚を持った。
加山又造 「初月屏風」1967年
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