壮大な天空活劇。

初めて加山又造の作品を見たのは、確か小学生の頃だったと思う。「初月屏風」と名づけられたこの作品は、凄まじい天空活劇を思わせる。
灼熱の太陽が去り、熱を失なって慄いた風が妖しくうねりながら大地へ押しよせ、雲海を揺らす。朽ち始めた草木が不安にざわめき、冷徹な三日月がその様を静かに身守っている。
この絵を見たとき、ああ、自然にも命があるのだ、生きているんだ、と思った。

「やまと絵」と呼ばれている、と大人から聞いた。「やまと」とは大昔の日本の呼び名だ。目に見えないものに命を吹き込む鋭い感性に、私は誇りと敬意を感じた。

風にも、雲にも、山にも、呼吸があり、それらは時には荒々しく、時に優雅に、動いていは絡まり、共鳴しあう。人間界と同じことが、自然界でも起きている、と感じたとき、私の小さな命が、広大な世界とつながったような、不思議な感覚を持った。

加山又造 「初月屏風」1967年


About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール

【TOMOMI SATOS ART WORKS】https://www.ts-artworks.com
【TOMOMI SATOS ART SHOP】https://artworks2017.thebase.in
【TOMOMI SATOS ART BLOG】https://tomomiart.tokyo
【GOOD DAY! GOOD LIFE!】https://lifeupdate.xyz

スポンサーリンク

 

最新情報をチェックしよう!
>言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美

言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美

いろいろなものの影響を受けて
合理的に変わっていく生活の節々で、太古から引き継がれてきた私たちの感情が
、社会の波動を受けて揺れた瞬間を切り取って書いています。

生まれては死んでいく運命を持った
人間である限り、変わらないであろう幸せのヒントがそこにあると思うからです。


CTR IMG