アートビジネス,  美術

発信者は、無限の可能性を持っている。

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何年か前に、日本のある美術家が「画家は企画画廊からオファーが来て初めてプロと言える」というような話をインタビューで語っていた。その人は圧倒的な写実絵画を描く人で、個展をすれば完売するような人だったけど、企画画廊と契約しない人や、完売しない作家でも、才能がある人がたくさんいると思っていた私は、視点の違いに困惑したものだった。
当時は自分の納得いく芸術を作りたい思いと、芸術で生計を立てていきたい思いが葛藤して何が正解なのかを定めきれなかった。

私がプロなのかアマチュアなのか、その境界線はどこなのか、あんまり考えたことがないけど、いい加減な気持ちでは描かないし、今まで描いてきた作品の半分以上は嫁入りしているので、生計を立てられるに至ってはいなくとも、アマチュアではないのかもしれない。
画廊の人は、マーケティング的な視点で作品と画家の価値を図っている。作品を確実にお金に換えている人は、その部分で割り切りをしているように思う。

何がプロで何がアマチュアか。それって、画家本人の価値観が決めることだ。生計を立てられないと画家ではないと思っている人は、商業的な路線へ進むだろうし、精神性を追求する人は、型にはめられることを嫌い、創作者(発信者)として生きやすい道を選んでいく。
私は、死ぬときに「絵を描いてきてよかったな」と思いたいので、そこから外れた生き方はしたくないし、しないだろうと思う。

そう言えば、Youtubeから米津玄師が出てきたときは、とても衝撃だった。彼は歌と作詞作曲だけでなく、イラスト、動画制作、演出と一人5役こなしてしまう(本人は人と協調して作るのが苦手だから一人で作ってきたという)。この型破りなスタイルで達成した偉業は、芸術後進国の日本に、とてつもない可能性を掲げたのではないか。

私は美術大学を出てデザインと絵画の制作をやってきたけれど、文章を書くのも心理学を学ぶのも好きだ。発信、発表のスタイルは、画廊で展示することだけではない。人の心に届くことができれば、なんだっていいと思う。自分のできることを組み合わせて、面白いことができるんじゃないかなって。こんなふうに自由に考えられる私は多分、幸せ者だ。

米津玄師「春雷」Youtubeより

TOMOMI SATO
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東京在住のデジタルアーティストです。

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