銀座のギャラリー檜e.Fで、有賀和郎さんの個展が始まった。有賀さんの作品はこのブログでも紹介させてもらい(欧州の憂愁)、とても好評だったので、今回の個展を楽しみにしていた。
青、灰、濃緑、赤…..ぼんやりとした暗い色彩は、温かな胎内、または静かな深海を連想させる。孤独で安全な暗がりの中で、発酵した情動が、ある時は楽しげに、ある時は物憂げに現れる。
有賀さんが描いているのは「夢」の世界だ。私たちが眠りについた後に潜在意識が見せる風景。過去の記憶や普段気づかない感情、感覚、取り留めのない、儚いものが様々な形状になり、脳のスクリーンに現れては消えていく。目覚める頃には、私たちはそのほとんどを思い出すことができない。
有賀さんはそういった取り留めのないものを注意深く拾い、具象化する。
これらは、様々な「始まりの記録」のようにも見えた。芽吹いたばかりの生命の真新しい感動。暗がりに差し込む光のように、見慣れた毎日が変わり始める時、何が変わるのかはっきり認識できなくても、体の奥底で密かに動き出すものを感じている。恐怖のような、興奮のような、驚きのような……それらの芽を、一つ一つ拾って表現する有賀さんの鋭いイマジネーションには驚かされる。
無題1 パステル 39.2×54.5cm
有賀和郎展
2021年10月25日(月)〜30日(土)11:30−19:00(最終日17:00)
ギャラリー檜e.F
東京都中央区京橋3-9-2宝国ビル4F 03-6228-6558(会場)
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