アートの居場所。

普段は、美術手帖(webマガジン)でアートの最新情報を取り入れては楽しんでいたのだが、夫が事故にあってからは、全く忘れていた。特にICUで生きるか死ぬかの状態の時に、展覧会の案内がメールボックスに入ってくると、今まで興味を持っていたアートがとても遠くに感じた。
受け取る人の精神状態によって、アートって見え方が変わるんだなあと思った。

聖路加国際病院には、美術館の団体公募展にあるような風景画や人物画の大作が多く飾られている。普段の私ならあまり興味を持たない作品群だったけど、茶色い大理石の壁にオーソドックスな画風がとてもマッチしていて、安心感を与えてくれた。病院に来る人は不安を抱えているので、穏やかな日常風景や女性像などは鎮静効果があるのだろう。





夫の手術中、待ち時間が6時間ほどあったので、病院内を見て回った。1階は、スターバックスコーヒー、セブンイレブン、外来受付があり、多くの患者や家族が行き交う。カフェに隣接する聖路加ギャラリーでは、イラストレーターの個展が開催されており、ファンタジックな優しい世界を、通行客が楽しんでいた。



三星玲子展 11/15(月)〜20(金) 聖路加第一画廊


2階にあるのは、専門外来と礼拝堂。白衣を着た看護師が忙しなく行き交っていた。壁には、病院内行事が貼られた掲示板と、所々に落ち着いた油絵や日本画が飾られている。
礼拝堂の入口にあった、小さな風景画が目に入った。小学校の頃、父と近所の山に入った時に見た、金色の木漏れ日と草の匂いを思い出し、懐かしい安心感に包まれた。

病院のエレベータは大きく、患者を乗せたベッドを運ぶ看護師や、薬箱を抱えた運送業者と同乗する。手術で切除する内臓の話をする医師と看護師は、私がいた会社で仕事の打ち合わせをする上司と部下と変わらない。場は違うが、どこにでもある日常だと思った。

夫のいる病棟の待合室の壁には、児童画がずらりと並んでいた。ピカソに勝るとも劣らない天真爛漫な世界は心を元気にする。ICUや手術室に運ばれる時の夫は、この作品群に身守られているんだと思うと、心強かった。

ふと、考える。私の作品は、どこに飾られたらいいのだろう。
今までいろんな場所で発表してきたけど、最近は居場所が定まりつつある。大きなアートフェアや人目につくギャラリーが必ずしもいいわけではない。作品のメッセージを受けとってくれる人が、多く集まる場所へ行くことだ。



About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール

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