女性の「性」とは、「豊かさ」である。

いつか、女友達に「男の人が体の中心に入ってきたら安心する」と話したことがある。彼女はただ肯いていたけれど、本当はどう思っていたのだろう。
オーガスムを感じたことのない女性は今も一定数いる。私は性について、もっと知りたいし、オープンに話し合いたいと思う時もあるのだけど、そういうことは秘めておきたい人の気持ちもわかる。
どういうときに気持ち良く感じるかを答えられない(見たくない)人も多いからだ。期待を秘めながら相手に委ねるのが女性だ。そういう人は、自身の場所としての家庭を必死で守っている。

性の話を聞く時、少なからず心に負担がかかる。相手の欲望に自分が削られているような気がする。女性同士でそのような話をするときも、緊張が伴う。
いつかママ友に子供の自慢話をされたときも同じような感覚を持った。「私の子供、すごいでしょ」は、「私の子供、大丈夫かしら」と裏表だ。母親にとって子育ての核心であることを他人に確認せずにいられないことが、すでに母親として危機だからだ。それがまた、私の危機のようにも感じて、空恐ろしくなった。

カウンセラーでさえ、軽蔑したような反応をすることが多い。そういう風にして自分を守りながら、問題を画一的な形で解決しようとする。もしかしたら、現代の日本女性は、性について共通の問題意識を持っているのかもしれない。しかし多くの場合、嫌悪の本質を見ることができず、一度蟠りを持ってしまうと、関係修復は難しい。
どんな仕事についていても、どんなにお金を稼いでいても、自身の性の扱い方を知らなければ、真の自立はない。しかし多くの女性の「性」は誰かに所有されていて、そこから自由になることができない。

私にとって自由とはなんなのだろう。そういえば他人に、こんなことを言われたことがある。
「あなたの心は定まらず、常にふらふら動いている」
若い時に、確かにそのような日常を送っていた。興味の赴くままに美術館へ行ったり、映画を見たり、本を読んだりして思索を楽しんでいた。周囲には何を考えているかわからない人と思われていて「どうしてもっと周りとコミュニケーションを取らないの」などと言われることもあった。

でも私にとってそのような日常は、下手に人間関係を広げるよりも、彩りがあったと思う。自分の心にいつも寄り添っていて、アンテナに引っかかったことを自由に取り入れて満喫していた。そしてその部分で分かり合える人とだけ友達になった。恋愛バトルを繰り返している女子の日常は、どんなもんかという興味はあったけど、私の日常は、それなりに満足していた。

今は家庭を持ち、経験も積んで、若い頃よりは落ち着いた日々を送っているが、相変わらず私の意識や興味は四方八方に動く。一箇所に定まりにくい気質なのかもしれない。しかし生活は成り立っているし、得られる豊かさもたくさんある。

自分にとって、何が「豊かさ」なのかということは、当人でないと知り得ないことだし、人から指図されてどうなるものではないと、つくづく思う。それが一般的ではないことでも、当人が不自由でなければ問題視する必要もないのではないか。誰もが、自身の豊かさが活きる場所にいるべきなのだ。
そして、芸術家として生きていくなら、自身の豊かさを積極的に発信していかなくては、繋がるべき人にも、活動の場にも出会えないことも最近わかってきた。

話は戻るが、そもそもなぜ人は人を知りたがるのか。それは自分自身を知りたいからだ。
自分で決めるべきことを他人に委ねなくてはならない人は、自信を持つことができないし、同じような人に敏感だ。しかし同時に、自分の芯を見つけたいと切望している。


長い間、恋愛や男女のやりとりをテーマにした歌や小説がもてはやされてきた理由は、まさに人間の本質だからだ。知性や教養があれば、それらを昇華して個性的に生きることができるが、多くの人は性に振り回されて修羅の日々を送っている。でもそのような日々に、感謝や平和はない。

正直、私は若年期に性体験をしなくて良かったと思う。動物としての本能以外で、考えたり感じたりする余地を持つ(育てる)ことは、他人に想いやりを持てるし、人生を平和に保つことができるからだ。

サンドロ・ボッティチェッリ 「ヴィーナスの誕生」1483年頃


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