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宮沢賢治「雨ニモマケズ」を、リライトしてみた。

心理学の学校で宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を自分なりに書き直してみるという面白い課題が出たので、やってみた。

「雨ニモマケズ」

雨にも負けず 風にも負けず 
雪にも夏の暑さにも負けない
丈夫な体を持ち 
欲はなく決して怒らず
いつも静かに笑っている
1日に玄米4合と味噌と 少しの野菜を食べ
あらゆることを自分を勘定に入れず
よく見聞きし 分かり それを忘れない
野原の林の下のかげの
小さなかやぶきの小屋にいて
東に病気の子供がいれば
行って看病してやり
西に疲れた母がいれば
行ってその稲の束を背い
南に死にそうな人がいれば
行って怖がらなくてもよいと言い
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流 し
寒さの夏はおろおろ歩き
皆にデクノボーと呼ばれ
ほめられもせず 苦にもされず
そういうものに 私はなりたい

宮沢 賢治

宮沢賢治を知ったのは小学校の頃で、国語の教科書に著作「やまなし」が載っていたのを覚えているが、行間が深すぎて当時の私には理解できなかった。宮沢賢治のファンは本当にたくさんいて、何がそんなにいいのか不思議だった。しかし改めて読み込んでみて、宮沢賢治の凄さが少しわかった気がした。
一番印象に残った言葉は、終わりから3行目の「デクノボー」だ。質素に生活し誠実に物事に取り組む様を、この「デクノボー」で締めくくり、全て「善し」とする、謙虚な人間像が描かれている。

リライトをするにあたって、本来の宮沢賢治がどんな人だったのかを文体から探ってみると、実際は雨風に吹き曝され我欲に振り回されて七転八倒な日々を送っていたのではないかと思う。自分を正し、生きる意味を見出そうと奮闘努力する日々から、このような詩が生まれた。(尤もありのままの自分を描いたら芸術ではないんだけれど)

日常の困りごとに、愚直に献身的に取り組みながらも、見返りを求めない姿は、そういえば、今まで奨励された日本人像だなあと思った。
豊かで平穏な日々に生きている私は「もっと楽に生きればいいのに」と思う。雨や風に負けたってちゃんと明日はくるし、人間だから欲もあり怒ることもある。それを受け入れてもっと楽しく生きればいいじゃん、と思うところだが、このような姿勢がなければ日本は敗戦の痛手から立ち上がれなかった。

戦後80年が過ぎようとしているが、日本が成長する中で、少なからずこの「必死さ」を体験したことがある私たちは、「雨ニモマケズ」闘う人の、自己犠牲にも似た痛みと充実感を、どこか愛おしく感じる。
そして今の立ち位置からリライトしたら、以下のようになった。

「雨も風も友達」

雨も風も 友達さ
雪の冷たさも 夏の暑さも
私に力を貸してくれる時がある
嬉しい時も悲しい時も 決して自分を偽らず
一瞬一瞬を 心ゆくまで味わおう
それは本当の嵐に崩されないための心の糧
いろんな感情を積み重ねて私は強くなる

健康第一 時々贅沢
全ての出来事はみんな必然
神様が成長のために与えてくれたギフト
逃げずに立ち向かえば 道はひらける

川面の見えるマンションの12階に住み
仕事や創作で徹夜し 朝日を浴びて生まれ変わり
ワインとチーズで 宝石ような夜景を愉しみ
それぞれの毎日を生き抜く友の笑顔を想像し
明日への力を蓄える
そういう日々を 私は生きていきたい

佐藤 智美

「何をしたいか」ということは思い浮かんだが、実際に「何を食べて、どこに住むか」ということは、あまり考えていなかった。基本的に今に満足しているからかな。
出来る限り理想の自分を思い描くことで、将来それを手に入れることができると誰かが言っていたけれど、目的を明確にする良いトレーニングになったかなと思う。


About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール

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