JUN OSONさんの個展がGallery Targetで開催されていたので娘と伺った。
週末の原宿は人が多く、お洒落な店は若いカップルで賑わっていた。駅から7〜8分歩いて細い路地に入ると、小さな白い2階建のGallery Targetが見えた。
1階にはJUN OSONさんのPOPな人物作品が白壁に小気味良く飾られていた。人物の形を縁取る精巧な木の枠と、アクリル絵の具で塗られたキャンバス地が程良い情感と重厚感を出していた。
以前、渋谷の個展に伺った時は、広々とした空間がパステルカラーに彩られ、作品も大きくダイナミックな展示の印象が残っていた。でも今回はコンパクトなスペースだからだろうか、一般家庭でも飾れるサイズの作品は可愛らしく、親しみやすい感じがした。
いろんな「人」が描かれていた。個としての「人」。彼らは何か(誰か)を見つめながら考えたり、ワクワクしたり、戸惑ったりしている。この空間は、そんな思いを抱えた人たちのコミュニティのようだ。
2階の展示室には大作が並び、テーマは「個」から「他者との対話」へと移る。戸惑う人と寄り添う人。包容する人と受容される人。魅せる人と惹かれる人。様子を伺い、戸惑い、歩み寄る人たちのストーリーは、シンプルなフォルムと強い色彩で語られる。
人とのつながりへの切望と、戸惑い。これは私たちの日常にいつもあるものだった。
今はSNSで異文化の人とも簡単に繋がることができる。憧れと尊敬、好意をもって、他者と関わろうとするけれど、歩み寄る過程で理想(幻想)と現実のギャップが生じる。「知っている人」が「知らない人」に変わる度に私たちは恐れ慄くけれど、それでも歩み寄ることをやめられない。
現代ではインターネットの普及が進み、世界の国々で起きている情報が簡単に手に入るようになった。私たちは実生活のコミュニティでまかり通っている常識を絶対視できなくなり、新しい充足を求めて動きだしている。今までのシステムに不満を感じていなかった人も、この潮流に抗うことができない。
未知のものに出会うことは、好奇心と恐怖の両方を味わう。でも避けて通れないのは、私たちは心の奥底で、新時代を生きるための知恵を、異文化、異人種である他者からから学びたいと切望するからだ。それは決して切迫したものではなく、勇気を持って歩み寄った先には必ず幸福があると信じている。
JUN OSONさんの描く「人」には、戸惑いながらつながろうとする人の健気さや優しさが表れていた。「不安はあるけれど、大丈夫だよ、だから一緒に生きようよ」と呼びかけているようにも感じた。
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