母なる大地への憧れ。

心理の授業で、心のブレーキが働いてしまうのはどういう時かを、みんなで話し合っている時に、「女性ばかりのゆるい雰囲気に入ると緊張してしまう」と打ち明けたことがある。

いろんなものを受け入れて生きる甘え上手な人は、優しさの匙加減を知っていて、言葉をかけながら相手の様子を伺い、距離を測っている。そういう場所に誘われるまま入っていくと、多分、私は気が緩んでしまって、交わされている言葉の裏を読めずに心を開き過ぎてしまい、後で傷つくことになるから…そう言った時、ああ私って、甘えに慣れていないなあと思った。

いつか Youtubeで「女は山に登らず、みんなと一緒に海でぷかぷかやっていると幸せになれる」と誰かが言っていた。つまり、頑張りすぎないで、周りと一緒に分け合いながら生きる、ということだろう。何を分け合うかというと多分、感情とか感謝とか、成果物とか、いろんな意味合いがあると思うけど、これって私には少し勇気のいることだ。特に感情的なものは、みんなにお裾分けしてうまく収まるようだったら、今、創作なんてやっていない。




母なる大地への憧れ。これまで何度も絵のテーマにしてきたけれど、いくら描いても渇望は止まない。

心理の授業でシェアリングする時に、先生が「ここは安心な場所だよ」とよく言っていたけど、現実味を感じなかった。「信頼」とか「安心感」は、寄せ集まりの場ではできないように思う。そういうものへの感じ方も人によって違う。例えば疲れた時に気の利いた言葉をかけてくれる人に安心を感じる人もいれば、どんな時も助けを呼べば必ずきてくれる人に安心を感じる人もいる。その人から滲み出る経験とか人間性に感応して、少しずつ築かれていくものではないだろうか。

それでも私は、自分を全て投げ出せるような場所に、生涯をかけてでも辿り着きたいと思う。その場所は必ずしも「人」ではないかもしれない。大自然の澄んだ空気だったり、芸術の深淵だったり。人間の解釈を超えた大きな存在は、いかなる時も安らぎと力を与えてくれるという根拠のない自信が私の中にある。

オディロン・ルドン《オルフェウスの死》1905-1910年頃 油彩/カンヴァス


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