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「桃源郷」を求めて。

FLYDAYオンラインで、東京工大の准教授が「ひろゆきの論破芸」と「ネットとの付き合い方」について語っていた。SNSで炎上したり批判を浴びせたり、陰謀論に飲み込まれる人たちについて、「人間なんて所詮そんなもの、割り切ることが必要ではないでしょうか」と言った。
考えがぶれたり、偏ったり、怒ったり…プリミティブ(原始的)な人間の感情の機微があることを受け入れることが大切だ、という。

「人間なんてそんなもの」という言葉に、諦めのようなものを感じた。本当にそう思ってしまったら、誰にもときめかなくなるし、誠実に寄り添っていこうとも思えなくなる。

ひろゆきの論破芸がなぜ時代の象徴かというと、社会的に優遇されている人を、そうでない人の代弁者である、ひろゆきがやっつける、という革命的な構図に大衆が熱狂しているからだ。

歴史上で散々繰り返されてきた、権威を権威から引き摺り下ろす、時代を牛耳ってきた力関係をひっくり返すような運動が、オンライン上で頻繁に行われ、仲間内と「そうだよね〜」を言い合うような中身のない討論番組がSNS上に蔓延している。それらの情報で一時的にストレス解消はするものの、膨大な情報をうまく咀嚼し活かすことができずに、不安を増大させている人も多い。

権威、といえば、私は大卒なので、そうでない人たちから見れば、権威の側に見えるのだろうか。最近ネット上で絵の販売を教えるアーティスト起業家が「美大卒でなくても絵を売れる」と熱心に訴えていた。
私は自分の学歴をプロフィールに書くことはあるが、活動の売りにしたことはない。だって権威や学歴は上を見たらきりがないし、本当に強みになるものは、自分で意識して育てていかないと使えるようにならないからだ。多分、社会的立場において優劣をつけたがる人は、自己受容ができておらず、自分にないものを持っている人に嫉妬しているのだと思う。

批判、炎上、陰謀論。そんなものを毎日見ていたくない。プリミティブな感情ばかりを放出したり受け取ったりしていると、だんだん人間に興味を失っていく。SNSの情報も嘘にしか映らなくなるし、メッセージも、詐欺やスパムにしか見えなくなってくる。

多分私は、心の奥底で、永遠の桃源郷を求めているからだと思う。
そんなことは、無理なんだけど。

周りのアーティストを見ていて、この人も桃源郷を求めているのだろうな、と思うことがある。彼らの願望を実際に他人に求めるのは難しいから、自分がその源泉になろうと頑張っているのだろうな、と。
でもアーティストのそういうところに、人生や社会への誠意を感じるし、深い共感を覚えるのだ。


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理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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