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男性には見えない、女性のリアリティ。

中山美穂さんが亡くなったとニュースで聞いてから、彼女のヒット曲「ワクワクさせてよ」が頭の中をグルグル回っている。彼女は私と同じ歳だ。青春時代のトップアイドルの死は、喪失感というよりも、危機感のようなものがある。

不慮の事故、と聞いた。しかし最近テレビで見る中山さんはどこか寂しげで、かつての華やかさがなくなっているように見えた。だから訃報を聞いたときは、何となく府に落ちるような気がしてしまった。

さっきネットで、小説家の金原ひとみさんの「離婚しました」という報告記事を目にした。スレッドを開けてみると、「刺激がない」とか、「自分の可能性を諦めている」とか、多くの離婚女性が言うような理由が並び、そのあとは、作家ならではのよくわからないニュアンスの言葉が続いていた。

DVとか浮気とか、そういうことで離婚するのとはちょっと違う、スピ系の人がよく言う「パッカーン」とたかが外れた状態なのかな、とちょっと思った。

結婚、離婚、それ自体を良いとか悪いとか思わない。ただ何らかの出来事によって彼女の閉じられた感性が開かれたのだと思う。その後は新しい世界を精一杯泳ぐだけだ。

私は最近、夫とよく出かける。昨日は洗面周りの収納を作り替えるためにダイソーへ行った。買い物の後は夫に誘われ、近所のファミレスで、ワインとおつまみで寛いだ。

彼の方で話題がない限りは、私が話す側、彼が聴く側だ。私は他愛もない話よりも最近経験したこととか、新しい知識などを話し、彼は相槌を打って吸収すると言った感じ。
結婚当時は、もっと他愛もない話をしてたかな。結婚生活30年近くとなると、ぽろっと言ってはいけないことが出てしまいそうで、気を付ける癖がついた。杞憂なのかもしれないけどね。
芸術という遠い世界に行ってしまった妻に何とか近づいて寄り添おうとする夫に少し胸が痛んだ。

金原ひとみさんの離婚記事の話に戻す。
作家ならではのよくわからないニュアンスの言葉で表現されている世界が、彼女のリアリテイなのだと思う。
生活で起きたことは表面的なことで、彼女にとって自然でいられない環境だったのだろう。自然であるとは、これも千差万別で、ゆったりと時間の流れにクラゲのようにたゆたう人もいれば、万華鏡みたいに様々な事象を反射して美しい模様を作る人もいる。

女は無意識に、持ち前の感性でこの世界を再編する仕事を行っている。
家事とか、子育てとか、日常の雑事などそれ自体は大したことではなく、それらに関わり五感で感じることが世界を作っている。サンルームのひだまり、子供たちの歓声、言えない言葉を抱える息苦しさ。愛しさ、満ち足りた気持ち。甘さ、辛さ、酸っぱさ、いろいろなものが混ざった世界で呼吸する私たち女性が、どれほど濃密な時を生きているか、男性は多分、知ることはできないだろう。

それでも私は、生きている、ということに、絶望したことがない。

結婚当初は全然できなかった料理は、今となってはほとんど趣味だ。テレビでタレントが作っている料理を真似て作ることもよくあるし、今日こんなの食べたいな、と思ったら、即食卓で実行する。そして家族に喜ばれる瞬間は幸せだ。

気持ち良くなりたいな、と思ったら、家をきれいに片付けて、雑巾掛けをし、お風呂の水を新しく入れ替える。そうすると気持ちもスッキリするし、家族にも喜ばれる。

人から強制されてやると苦痛になるかもしれないが、好きな時に好きなようにやっているから、仕事という自覚がない。でもそれをやることで私の世界は新しく再編され、結果的に自分も周りも幸せにしている。

物事は常に変わりゆく。ずっと変わらない人もいるかもしれないが、私は変わりゆく世界に生きている方が面白いと思う。一瞬一瞬を名一杯感じて、古くなったら一新して…そうやって新陳代謝する事で、日常は洗練されていく。

もし結婚しなかったら、どんな人生になっていたか。それはそれで面白かったと思うけど、今は今しか見れない世界を感じながら生きている。それを何の気兼ねもなく名一杯楽しめたら、もっと濃い幸せを感じられるんだろうなと思う。


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理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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