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「キャリア」か「出産」か。岐路を乗り越えるということ。

Yahooニュースで、女性が子供を産む決断をどうするかについての記事を目にした。仕事でキャリアを築いてきた女性が母になって良かったこと後悔していることをシェアし合うという内容だ。

仕事にアイデンティティを見出していた女性が子供を産んで母になると、それまで築いてきたアイデンティティが失われ、自己犠牲を強いられている感覚だという。
彼女たちは子供を産んだことに後悔はしていないが、この社会で母になったことには後悔している。なぜなら、日本の社会は良い母親を期待するからだ。
母として「ずっと奉仕し続ける生き方」に疑問を持ち「自分らしい生き方をしたい」から子供は持たないという女性も近年は増えているようだ。


20年前に私が考えていたことを全く同じだった。仕事を一生懸命やってきた人ほど、この決断には迷うのは、いつの時代も同じだなあと思う。

私がなぜ出産に踏み切れたかというと、キャリアに限界を感じたからだ。実際は限界でもなんでもなかったのだけど、地位や実績を追う人生に嫌気が差した。何よりも、出産を拒んでいる自分のエゴを解き放つことが重要だった。私自身の本当の幸せは、その先にあると直感的に思っていたから。


私は「出産して良かった」派だ。
娘が生まれた日、病院の窓から見えた大きな丸い月がとても美しかったのを覚えている。人生で最も大きな達成感だった。その後は感性も豊かになりアート作品もたくさん生まれた。

当時の私も、世間で言われている「良い母親」を意識していた。これから何が起こるかわからなかったし、子供を幸せにしたいから、良い母親になろうと努力していた。
しかし世間で言われる「良い母親」になることで幸せが築けるほど、家庭は単純なものではないということも感じていた。


ママたちのコミュニテイでは他人の子育てと自身の子育てを比較し、自身の子育てを反省したり見直したりする人が多かったけど、子育ては母親自身の生き方が反映されるため他人の意見でどうなるものではないと思っていた。だからママコミュニティは、母親自身の不安を紛らわすために干渉し合っているようにも見えて、あまり好きではなかった。


そうは言っても私は、社会的にどう見られるかは今も意識し続けている。

アーティストとして作品を作る時は、普段の役割は取り払って、なるべく素の自分で向き合う。作品を作ることで成長していきたかったので、社会的にどうかなどという評価基準を持ち込みたくはなかった。しかしそうやって作られた作品が娘にどういう影響を与えるかを、常に気にしなくてはならなかった。

私の制作をそばで見てきた娘は、良くも悪くもいろいろなことを感じていたと思う。成長過程でどのような影響を及ぼしたかわからないが、他の職業と同じように、母親という仕事も綺麗事ではすまない。結局は、私のリアルな生き様を見せていくしかなかないのだ。

当時は夫も仕事で奮闘していた。外から帰ってきて部屋に閉じこもったり、ストレスを家で吐き出すこともあり、私の話など聞く余裕もなかった。理想的な父親、夫とはかけ離れていたが、それが彼の生き様だった。男にとって仕事をするということも、決して綺麗事ではないのだ。

そうやって、てんやわんやと生きてきて、時々失敗したり修正したりして今に至っている。娘ももう高校を卒業するが、自分の目標に向かって力強く歩める子に成長した。


出産を決断した当時の私を振り返って思うことは、「エゴを解き放って良かった」ということだ。
私という人間を形作るものは、仕事のキャリアでも、出産や子育てでもない。その時やりたいことを、いろいろ工夫しながらやり続け、感動体験を積んできた。それができたのは、私を「女だから」という枠にはめず、丸ごと愛してくれた夫や家族の協力があったからだと思う。

社会的役割の枠は今もある。でも、生きていれば想定外のことは起きるし、その度に真摯に内観し、顔を上げてぶつかっていくしかない。歳を取るにつれて、エゴから解き放たれ、より自然体の自分としてゆったりと生きていけるようになれればと思う。


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理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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