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体の調子が悪い私は、グラウンディングができている。

病院で処方された抗うつ剤は副作用が強く、飲み始めて3日ほどで、だるさや下痢、胃のむかつき症状が現れた。「この薬は効いてくるのに2〜3週間かかるので、副作用の症状が出ても服用をやめないでください」と医者からの指示があったが、動くのも辛くなり、私はその日会社を休んで、一日リビングの床に横になっていた。

仕事部屋から離れて、このように真っ昼間から横になるのは、どれくらいぶりだろうか。
カーテンの隙間から、中川と灰色の工場地帯、それから、淡い光を含んだ綿菓子のような雲海が見えた。

このマンションに引っ越してきた頃から、何度も繰り返し見ていた風景だった。子供が生まれた時、頑張っていたお仕事を辞めた時、本当にいろいろなことがあった。何もかもを委ねるように外の風景を眺めるときは、大きなものからの救いを無条件に信じていた。しかし今、ここでこうして横になり空を見ていると、空の方が扉を開けて私を待っているような気がした。

だから動かなくては、とか、ここにいてはいけない、とかいう、せかされた気分ではなかった。だって私は今胃が気持ち悪くて、動けないんだから。体は賢い。頑張ったってどうにもならないことを知っている。だから私はただ空を眺めて、ああ、空が待っているんだな、と感じていた。

今までこだわっていたものが、どうでも良くなり、気を張って見ようとしていたものが、大したことないものに見えてきた。ただっぴろい宙に置き去りにされた私を、すり抜けるように流れる時間を感じた。

次の日に出勤すると、仲間が体調を気遣ってくれた。上司だけが厳しい表情だった。ほとんどの人が日頃の業務が大変で胃が痛くなったと思っていたようで、抗うつ剤の副作用が大きかったとはとても言えなかった(笑)

まだ完全回復ではなかった私は自分のペースで仕事をした。ミスって上司に注意されたが、いつもみたいな緊張はなかった。しょうがないね。そういう日もあるさ。みんなそういう日があるんだ。

体の調子が悪い私は、グラウンディングができている。
普段の気負いがとれて本来の自分に帰れる。
調子の良い日、悪い日あるけれど、それは一過性のもの。肩の力を抜いてやった方が、次はうまくいくもんだ。


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