父から貰った本。

結婚して家を出たときに、父から貰った、リチャード・バックの「かもめのジョナサン」。
主人公のカモメ、ジョナサン・リヴィングストンが、飛ぶことの高みに到達するために修練を重ねる話だ。

企業戦士として働いた父は、本当はジョナサンのように生きたかったのではないか、と思う。家でいつもリビングのソファに座り、不自由な社会生活の中で自由に生きる道を模索していたのかもしれない。

私も内向的で、作品など作っていたから、父の考えていることは、なんとなく理解できた。
でも家庭の団欒の中で、父がこういった本の話をすることはあまりなかった。たぶん他の家族から「理屈っぽいね」という意見が返ってくるからだろう。

身近に理解者がいないのは辛いことだ。父が家でもう少し自分の感性を解き放つことができたら、もっと有意義な老後を送れたかもしれない。実家に帰った時に、もっと父と本の話や絵の話をすればよかったな。

でも葬式での父は、きれいな死に顔をしていた。人生をやりきったのだろう。

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