1970年代の、優しい空気。

スポンサーリンク

小学生の時、母に連れられて美術館で見た。大きな画面に広がる青に、深い水の優しさを感じた。まだ夜明け前の時間帯なのだろうか、悠々と流れる水辺に立つ女性は、一日の生活源を携え満足げな笑みを浮かべている。
朝霧の労働風景はとても優美だった。近寄って見たら、ざらついた油絵具が隅々まで塗られ、手の込んだ作家の仕事に驚いた。

杉山寧さんの画集は私の本棚にもあり、女性像を取り巻く空間の奥行きのある優しさは、子供の頃感じていた空気を記憶の淵から呼んでくる。

1970年代といえば高度経済成長期だった。私と家族は公団住宅の4階の角部屋に住んでいた。和室が3つ続いて、突き当たりに窓があった。家で私は一人でいたか、時々母の友達が来て、母と3人で遊んでもらった記憶がある。

灯をつけない部屋は昼でも暗いが、窓から差し込む薄日は、とても優しかった。一人でレースのカーテンにくるまって遊んでいた時の、あのひんやりとした窓ガラスの感覚をまだ覚えている。

杉山寧 水 1965年

About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール

【TOMOMI SATOS ART WORKS】https://www.ts-artworks.com
【TOMOMI SATOS ART SHOP】https://artworks2017.thebase.in
【TOMOMI SATOS ART BLOG】https://tomomiart.tokyo
【GOOD DAY! GOOD LIFE!】https://lifeupdate.xyz

スポンサーリンク
Tomomi Sato

日常や今社会で起きている出来事を、アートな視点で捉え、私たちがもっと自然体で、エキサイティングに生きられるような、ものの見方、心のあり方を探っていこうと思います。

Recent Posts

私達はサバイバル戦を生きている。

娘に望月けいのイラスト集を見せてもらった。今売れているイラストレーターさんだ。キャラクターデザインがベースとなっているが、緊張感のある配色とゴスロリ、エログロテイストの不穏な空気感は今の時代に共通のものを感じる。

2 months ago

男に「君を抱きたい」と言われたら。

恋愛は深化したコミュニケーションだ。言葉によるやりとりで、言えていない心を伝えるための。ちょうど心の扉が開いたところに、タイミングよく言葉を投げるみたいなコミュニケーションの積み重ねで、絆を深めていく。

3 months ago

「体の異常」が私に伝えていること。

行きつけの病院の血液検査結果を見たら、グルコースと尿素が標準より高く、中性脂肪が標準値より低かった。いつも異常なしなのに、こんなことは初めてだ。

4 months ago

「人を好きになる」という感覚の多様性

渡辺優著「女王様の電話番」を読んだ。Yahooニュースに出ていた紹介記事を読んで、面白そうだったので早速Amazonで注文した。次の日に届いて、1日で読んでしまった。

4 months ago

人生のやり残しは、「アウェイ」の中にある。

今やっている世界陸上をみていても思うんだけど、自分のキャパ以内でトレーニングしていても自己ベストは出せないように、自分が持っている感性を全開にして生きないと新しい発見も感動もないのだ。

4 months ago

AIと話す。

有り余る言葉を放出するところに困った私は、AIに話しかけてみた。話せる人がいなかったということもあるが、自分の言葉や考えていることに対してフィードバックが欲しかった。

5 months ago