トラウマの話。

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トラウマっていうのは、絶え間なく回り続けていたレコード盤に傷がついて、いつも通りの音が聞けなくなったような状態だなあと思う。
しばらく忘れていても、突然疼き出してきて、思い通りの行動ができなかったり、言いたいことが言えなくなったりする。

前に心理学系Youtubeで、トラウマを乗り越えていけるのは、当人の資質だと聴いた。つまりこの痛みを振り切って進んでいけるか否かは、当人の強さによるという。

ひきこもりとか精神病になる人は、過去に受けた傷を十分に癒す術を知らず、未来を切り開くこともできず、今を生きる力を失ってしまった人だろう。それを強さとか弱さという言葉で片付けられてしまったら元も子もないが、弱く優しいものは早く息絶え、強く利己的なものが伸び栄えるという、この世界の真理は残酷だ。

私は「子供」になれない。だから子供のようにはしゃいでいる大人たちの空間に入ると、やや居心地悪く感じる。自分も楽しみたいけれど、楽しいという感情をストレートに出せない。内部爆発して、苦しくなってしまう。
これもおそらく、なんらかのトラウマによるものなんだろう。そしてこのトラウマがいつも前進を阻んでいる。

そんな私でも、ふとした瞬間に、今まで見ていた日常の色がガラッと変わる時がある。めちゃくちゃ気になっていたことが急に解けて、力が抜けた時に、あれ、私何やってんだろ、と思う。世界というのは、当人の思い込みでできているのだ。物事は、私の見方次第でどうにでもなるんだ。

今を生きる一瞬一瞬に、いちいち意味づけする必要はないけど、私を取り巻く空気には色彩とフォルムと温度、湿度がある。移りゆく時とともに、それを丁寧に感じていくことが生きることなのかな、と最近思う。


日本人はある意味、トラウマを抱えた民族ではないだろうか。伝統を引き連れて、戦争に傷付き、西洋の合理主義、競争主義に脅かされた今、必死で伸びしろを探している。
私たちは西洋人のようにはなれないけれど、行き詰まった道を開くために異文化の思想が必要だ。だから今、インターネットという、自由に意見や思想、文化の交換ができるツールが与えられたのだろう。

この世界が弱肉の競争社会だとしたら、さっさと負けてしまったほうがいい。勝ち続けることは、脅かされ続けることだ。負けても死なない自分を感じて、極上の思いこみで、最後まで突っ走りたい。

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Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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