• 現代美術,  美術,  美術評論

    今日の生活は、明日は保証されていない。

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    私はニューヨークのアートシーンの最先端にいるわけではないし、必ず生き残らなければならないという危機感はない。東京に住んでいて、会社を辞めても夫の収入で生きていける。家族を気遣いながら、好きな時に絵を描いて、デザインの仕事をしている、お気楽主婦だ。
    だけど、今日の生活は、明日も保証されていない。今の生活も、来年は全く違ったものになっているかもしれない。世界は私が思うよりもずっと早い速度で回転していて、私もまた激しい生存競争の中にいるのだ。そんな当たり前のことを、見て見ぬ振りしていたのは、現実から逃れたいという甘えがあったからだ。

    松山智一さんは、このコロナ時代でアーティストに何ができるかを、テレビやSNS、色んなところで発信していた。1日に使うエネルギーに無駄がないと思った。先日東京からニューヨークへ帰国した後、すぐに次の仕事でロサンゼルスへ行ったという。短期間で某大な仕事をこなす、パワフルな人だ。

    彼のインタビューなどを聞いて思ったのは、コロナ禍というのは、不安や恐怖を感じる必要はなくて、単なる時代の流れであり、社会のいろんなものが変わっていく過程にあるということ。正体不明のウイルスのためにたくさんの人が亡くなり、経済は停滞しているけれど、現状のありのままを受け止めて、自分なりの時代へ(社会へ)の関わり方を決めていく。そう、この「関わり方の決定」こそが、激動の時代でアーティストのやるべきことなのかなと思った。

    日常の流れが加速していく。美術教室で講座を受け持つことになり、今日はシラバスを考えていた。会社を辞めた直後は、全く予測できなかった展開だ。
    就職することも、全く考えていなかったわけではない。転職サイトの募集に、ちょっとした出来心でエントリーしたら、次の日不採用通知がきた。あまりにも思った通りの結果だったので、その転職サイトのメルマガの登録をすぐに解除した。

    私は何かの流れに乗っている。最近は自分の力で稼ぐために、インターネットについて勉強を始めた。こうして文章を書くことも、心理学で人間への知識や理解を深めることも、長いこと私が興味を持ってやってきたことだった。それらを今、自身が生きるために本格的に使おうとしている。
    忘れてはいけないことは、時間は有限だということだ。今日という日は二度と戻らない。今私は健康で、モチベーションもあり、環境にも恵まれている。今やれることを確実にこなして、未来へつなげていこう。


    TOMOKAZU MATSUYAMA  Some Because I Will  2021


    TOMOMI SATO’S ART WORKS
    【Official Site】https://www.ts-artworks.com/
    【Art Shop】https://artworks2017.thebase.in/
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    【E-mail】tommys1970@ab.auone-net.jp

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  • 現代美術,  美術,  美術評論

    四次元空間を描く。

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    騎馬に乗っているのは、日本絵巻に登場する戦国武将ではなく、現代の若者だ。甲冑ではなく、カウボーイのような服装をして、一人は未来のゆく末を案じ、もう一人は道を指さしている。背景には、銀河、桜、百合、菖蒲。日本の自然美がグラフィカルに構成され、若者のめざす世界が夢に満ちあふれているようにも見えた。

    松山氏の描く人物には主張を感じない。彼の描こうとしているのは人間そのものではなく、私たちの存在する空間だからだと思う。ここでいう空間とは4次元空間だ。私たちは単体として存在しているのではなく、他者や様々な事象と共にいる。自然現象、時間の中で、私たちの感情がある。それらは未来へ向かって少しずつ変化していく。空間を構成するものが変わると、私たちの関わり方も変わっていくからだ。
    だとすれば、私たちが「今、ここ」に関係するもの全て捉えて、じっくり味わっていくことが豊かさに通じるのではないか。

    最近は、人物に焦点を当てて描くことに限界を感じていた。感情だけに囚われていると他の視点を見失って、行動を狭めていく。でも感情とは、あくまでも人間の精神世界だ。そこに留まり続けていると、人生の全体を捉えることができなくなる。「今、ここ」の感情だけでなく、それを作っている要因まで見ていくことで、過去から未来へと世界はつながっていき、私たちの可能性も見えてくるのではと思った。


    TOMOKAZU MATSUYAMA Spiracies No Surprises 2021

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  • 現代美術,  美術,  美術評論

    日本人の持つ透明感。

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    ニューヨークで活躍している気鋭のアーティスト、松山智一氏の個展に行った。松山氏の作品は、マイアミのGGA GALLERYで見た。強烈なアメリカンアートと共に展示されていたその作品は売約済の赤いラベルが貼っていあり、「日本人がアメリカで頑張っているなあ」という印象があった。
    最近、マイアミで見たアートが懐かしくなって、色々とネットを漁っていたら、松山氏の作品を発見した。ちょうど今、個展と画集販売のために帰国しているという。さっそく私は個展会場へ向かった。

    日本文化とアメリカのポップカルチャーが混在する画面は、鮮やかな色彩にあふれていた。マイアミで見たアートの、華やかで賑やかな世界を彷彿させたが、絵の中の人物像はあまり主張がなく、日本人らしい透明感を感じた。人種差別のあるアメリカで自己のアイデンティティと向き合ってきた松山氏は、どのような状況であっても生き抜いて行かなくてはならないという決意のもと活動を続けてきたという。
    たくさんの色彩を使いこなし、まとめあげる画面構成力には圧倒される。アメリカのアートに見た強烈なエモーションは感じなかったが、花札や日本絵巻に登場する騎馬像、藤の花、百合、朝顔、日本の伝統模様は、ファンタジックにデザインされ、見ていて楽しい気分になった。

    透明感は日本人の強みだな、と思う。どんな色にも染まれるということ。独自の文化を持ちながら、他国の文化とも融合できる柔軟性と軽やかさ。どんな所でも、どんな状況でも生き抜いていける。そんなことを、松山氏の作品から教えてもらった気がした。

    TOMOKAZU MATSUYAMA River To The Bank 2020


    TOMOKAZU MATSUYAMA Solo Exhibition 「Boom Bye Bye Pain」2021.5.22-7.10


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