ここ数年で驚異的な変化があった。今まで自分のこと以外には、あまり興味を抱かなかった私が、自分と違う性質を持つ人やもの、事柄に惹かれるようになったことだ。
無駄なことと考えていた。私とは違う世界の、違うカテゴリーにいるものとは係われるはずもないと思っていたから。でもそれら見たり、思っている時は、とても穏やかで優しい気持ちになる。
最初は、巧妙な詐欺師を前にしているようで心がざわついた。しかし突き詰めて考えてみると、私がずっと前から押し殺していたインナーチャイルドの声だと気付いた。詐欺師に騙されたら傷つくので、この声をずっと聞かないようにしていたのだ。
どんなネガティブも包み込む優しさとか、どんな重圧も跳ね返す明るさとか自信とか、どんな状況でも自分の感情を表現する素直さとか…そういえば私も昔はちゃんと持っていたのに、どこで失くしてしまったのだろう。
世界は広い。知りたいこと、知らなければならないことは、たくさんある。しかし身体中の皮膚は敏感さを増している。不用意に出て行って、火傷したらどうしよう。怖さを感じながらも、私は少しずつ出航の準備をする。
こんなときは「帰る場所」を感じたい。どんな遠い場所へ行っても戻れるように錨を下ろす。身近な人と交わす思いやりが、私を然るべきところへグラウンディングしてくれる。
佐藤智美「家」2015年
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ネット上で子持ち世帯が批判される現象について、それが恋愛や結婚への消極的な風潮や社会的な価値観の変化、女性性の解放や新しい生き方の模索とどう関連しているかを探った。
教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。
朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。
お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。