Categories: 人生日常

地に足をつけて、天を見上げる。

スポンサーリンク

3月、4月は出費が多かった。娘が着られなくなった服や中学の時に使っていたものの大半と学習机を処分し、代わりに制作用の昇降デスクを買った。私も数年ぶりに服を新調した。ママさんが好むようなカジュアルな服をネットで買う気になれず、オフィスにも出ていけるような、きれいめのブラウスとパンツにする。意外と今の自分にしっくり来ている気がした。

個展会場がカフェだったため、期間中は家族と共に定番メニューとコーヒーを楽しんだ。家族と過ごす時間はスペシャルな時間にしたい。昼ごはんもコロナ禍前よりも手のこんだメニューを作っている。おいしいという笑顔には替えられないから。

そんなこんなで出費が嵩んだことを夫に伝えたら少し顔が曇った。彼は毎日たくさんの仕事をこなし、将来の資金についても気を配っているので、少し、もうしわけないことをした気になる。意義のあるお金を使ったと思うけど、長い目で見ると、ちょっと自信がないのはなぜだろう。

54歳の今、「老後」は、脅威として近づいてくる。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。

10年後、20年後、私は変わらずに生き生きとした生活を送れるだろうか。「無理だよ」という人が多い中で、私は自分にとっての一番の幸せを考えて育ててきた。でもそれが永続するかどうか、残念ながら先のことは誰もわからない。

ではどうするべきなのか。現状維持は衰退の始まりなので、節制と健康管理を心がけながら、今までやってきたこと、今やれることを精一杯やろうと思う。今回の展示で美術メディアとのつながりができたので、無理のない形で作品発表を続けていきたい。

「お前はお母さんに体型が似ているから、将来足が弱くなるのではないか」と夫に言われた時、ちょっと痛いところを突かれた気がした。
もうすでに腰痛だし、座り仕事が多いので足の筋肉も落ちている。中腰でいるとすぐ背中が痛くなる。ここ数年で起きた出来事がこれまでのモチベーションや活力をすっかり奪っていた。挽回できるだろうか。しなければならない。

地に足をつけて、天を見上げる。
20年前に出産のために仕事に区切りをつけた時も同じことを考えていた。夢ばかり見ていても、保身ばかりしていても生きていけない。足場がしっかりとあるから高く跳べるのだ。

しかし生きるにしても死ぬにしても、自分がぶっ壊れる気がする。命の限界と新しい出会いで。今はそれくらい人生の際どい所にいる。


言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美」メルマガ登録はこちら

【TOMOMI SATOS ART WORKS】https://www.ts-artworks.com
【TOMOMI SATOS ART】https://artworks2017.thebase.in
【TOMOMI SATOS ART BLOG】https://tomomiart.tokyo

スポンサーリンク
Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

Share
Published by
Tomomi Sato

Recent Posts

呼吸が止まる時。

空を仰いでいる若者は、勢い余って崖から落ちそうだが、彼の顔には不安も恐怖もなく、好奇心でいっぱいだ。崖から落下するか飛ぶか、可能性は未知数だ。

18 hours ago

「陽キャラ」と「陰キャラ」。

教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。

1 week ago

変わっていくものと、変わらないもの。

朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。

4 weeks ago

鴨居玲の自画像〜自分の闇を見つめる

お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。

4 weeks ago

「人」を愛する。「間」を愛する。

大切なものは「その人」を語る。距離が近くて言いたいことを言い合い傷つけあった人たちにも、大事にしているもの、楽しみにしていることがあった。向き合った時の言葉や顔色だけでなく、周辺まで見ると、一個人が立体的に見えてくる。

1 month ago

佐藤智美展〜INSPIRATION

【個展開催のお知らせ】佐藤智美展〜INSPIRATION 会期:2024年4月10日(水)〜14日(日) 会期中無休 時間:11:00~20:00 ※4/10(水) 13:00-20:00 4/14 (日)11:00-16:00 場所:Gallery Klyuch (カフェle bois 2F)

1 month ago