Categories: 心理学生き方

「影」を見ずに、「光」を見よ。

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先日カウンセリングの時、「あなたは共依存のカプセルで育ったので共依存です」と先生に言われた。共依存という言葉は前から知っていて、ここから抜け出すために何十年も努力していたから、正直この言葉に傷ついたのだけど、先生は私の気持ちに気付いていないようで、こう付け加えた。「共依存は度合い。共依存はあなたを守ってきたのもだから」
この「あなたを守ってきたもの」は、いつかの授業で、他の先生も使っていた言葉だ。

先生はいつもニコニコしている。あーと残念そうな顔をしたり、うんうん、と理解を示すような相槌を打ったり。このような聞き方を「かかわり技法」という名目で学んだなあと思いながら、今までずっと疑問に思ってきた現代の性の問題を持ち出してみた。心の問題と性の問題は密接な関係があると私は考えていた。少し呆れたように先生が笑ったのを私は見逃さなかった。

いつかのインナーチャイルドセラピーで、人との関わりについて「あなたは心がそれ以上深入りできないからフラフラしている」というような事を言われて、少しドキッとした。先生は表情を変えずに「安全な場所で吐き出して行くのがいい」と付け加えたのだが、本当に安全なのか疑った。なぜなら、先生が私にとって安全なのか疑いを持ったからだ。

心理学の落とし穴

まず、人の心にラベルを貼るという事自体が人を上下に分ける行為なのではないかと思った。私は勉強に来ているので、クライアントとは思われていないだろうけど、教室でシェアリングをすると、なんだか傷つく。心に起きていることに学術的名称をつけられると、軽んじられている気がする。教科書には「人に言われた事をネガティブにとらえるのはインナーチャイルドの傷が癒えていないため」と書いてあるので、そのような捉え方で片付けられるのは予想がつくが、これって、マインドコントロールではないだろうか。このように教えておけば、例え先生が意図的に生徒を傷つけるような事を言っても、生徒のインナーチャイルドのせいにすることができるからだ。
ラベルを貼ることで安心したり乱れた心を整理することもできるから、混乱の真っ只中にいる人には有効なのだろう。

そこで、はたと考える。このように学ぶ心理学って、新興宗教とあまり変わらないのではないか。心を安全にする方法を集団で守って伝えていくことは、宗教団体でもやっていることだ。そして本当に見つめるべき課題には触れようとしない。「心の平穏を守る」って、とても閉鎖的なことだなと思う。

多くの人が世間でタブー視されている話に嫌悪感を表すのは、私たちの中に抑圧されてきたものが共通にあり、それをありのままに見ることを恐れているからだ。
私は恐れを打破したいので、異文化の人の話に耳を傾けたり積極的に議論するけれども、平穏無事な生活を送っている(送りたい)人にとって、それがどんなに危険なことかも理解できなくはなかった。

生きるために必要な「人間性」

「影」を見ずに、「光」を見る。これは幸福な人生を送るために、とても大切なことだ。

そもそも、心の回復ってなんなのだろうか。インナーチャイルドの心の声を探って過去の辛い経験ばかり見てしまうと、被害者意識が強くなり、ますますネガティブな人生から抜け出せなくなる。
私は心にラベルをつけられ正解を突きつけられた時、逆に正解ではない部分が、殺されまいと、ますます輝きを増してくるのを感じた。
人との距離が近い環境で育った私は、人の心の動きを敏感にとらえる。それによって恐怖や脅威を感じたり傷ついたりすることもあるが、人と触れ合い、共感する時の優しさ、美しさを何倍も感じとることができる。ああこれなんだ、と思った。人が楽しく明るく人生を歩んでいくための力は。これこそがインナーチャイルドが望んでいた力で、決して失ってはいけない力なのだと思った。

現代人の80−90%がアダルトチルドレンだという。今私が通っている心理学の学校は、日常で囚われている共依存から抜け出したい人のための学校だった。人間関係の適切な距離感と、物事を肯定も否定もせずに受け止める方法を、この学校で学んだ。
でも、これを完璧にやったところで人生って面白くなるのだろうか。どんなにトレーニングを積んだって人間がありのままでいようとすれば感じるものだし、思いやりを持つことで温かいつながりができる。温かいつながりなしでは、人に寄り添って話を聞くなんて無理なのだ。
心理学からはみ出した部分を人は大切にするべきだと思うし、はみ出してしまった部分を優しく受け止めることで、豊かな人間性と関係性が育まれていく。

いくら理論を学んでも経験を積んでも、カウンセリングは結局人間性の影響を受けるんだろうな。その時、引き合ったものにインスパイアされ、学び終わったら別れる、ということを繰り返して、人は成長していく。今まであったどんな出会いも経験も、その時必要なものだったので、後悔しない。


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Tomomi Sato

日常や今社会で起きている出来事を、アートな視点で捉え、私たちがもっと自然体で、エキサイティングに生きられるような、ものの見方、心のあり方を探っていこうと思います。

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