Categories: ギャラリー美術

来訪者

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兎の寿命は、だいたい7〜8年と言われています。当時はもう7歳で、何が起きてもおかしくない年齢だったので、肖像画を残しておこうと思って描いたもの。

夕方になると、ポロンはゲージから出て、家の中のお散歩タイムになります。ソファの下、机の下、タンスの影、狭いところに入って、身を休めています。そんなポロンが、私と娘のいる部屋に、そっと入ってくることがありました。「どうしているかな」と気になったのでしょうか、襖の陰から、顔だけを出し、そろりと、前足を出して、恐る恐る入ってきます。

ポロンは子供の頃から、駆け寄ってきて縋り付くということはしませんでした。ただ、こちらがじっと見つめていると、恐る恐る寄ってきて、鼻をこすり付けたり、頭を突き出したりします。兎なりの親愛の表現なのです。2016年の9月に永眠しましたが、生涯を通じて、慎ましく、聡明な兎でした。

来訪者 24.9×24.7cm 色鉛筆・CG/版画紙 2013


TOMOMI SATO’S ART WORKS
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Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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