言葉にできない気持ちに従う。

スポンサーリンク

高校生の時に、美術の先生だったか、他の作家だったか忘れたけど、作品で何を描いたのか質問したら、あまり明確に答えてくれなかった。気が収まらず追求したら、「こういう気持ちを描いたのだけど、そんなこと言うの恥ずかしいでしょ」という返答が返ってきて、怒られたような気持ちになった。

言葉にできない気持ちはある。しかし私はそれを明確にしたかった。不明瞭なものを不明瞭なまま持っていくと、どこかとんでもない所へ押し流されていきそうだった。

当時(昭和)の学校教育では協調性が重視されるものの、私は快不快に敏感だった。不快なものに蓋をして周囲に合わせることは拷問以外の何ものでもなかった。思春期は自分の快不快の落とし場所を見つけるために、些細な手掛かりから自分自身を探る作業を必要とする時代だった。

何か感じたら言葉にして遺す。言葉とともに浮かんだ色や形もメモにして遺す。その積み重ねで何を表現したいかを明確にする。制作の後も振り返る。描く前と描いた後では、自分の印象が違って見えることも多々ある。そうした発見を重ねていくから成長していけるのだと信じて、制作を続けてきた。

でも今は「言葉にできないものを描く」方が楽しい。言語化してしまったら、せっかくインスピレーションで得たものもつまらなくしてしまうから。感じていることは、言葉にしない方がむしろリアリティがあるのだ。
不明瞭なもの….1日の間に私はいくつもの模様のような快不快に出会うけど、それに流される恐怖は少なくなった。むしろ、それらに素直に従った方が、自分のしかるべき場所にたどり着けると思うのだ。


言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美」メルマガ登録はこちら

【TOMOMI SATOS ART WORKS】https://www.ts-artworks.com
【TOMOMI SATOS ART】https://artworks2017.thebase.in
【TOMOMI SATOS ART BLOG】https://tomomiart.tokyo

スポンサーリンク
Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

Recent Posts

「陽キャラ」と「陰キャラ」。

教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。

6 days ago

地に足をつけて、天を見上げる。

近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。

1 week ago

変わっていくものと、変わらないもの。

朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。

3 weeks ago

鴨居玲の自画像〜自分の闇を見つめる

お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。

3 weeks ago

「人」を愛する。「間」を愛する。

大切なものは「その人」を語る。距離が近くて言いたいことを言い合い傷つけあった人たちにも、大事にしているもの、楽しみにしていることがあった。向き合った時の言葉や顔色だけでなく、周辺まで見ると、一個人が立体的に見えてくる。

4 weeks ago

佐藤智美展〜INSPIRATION

【個展開催のお知らせ】佐藤智美展〜INSPIRATION 会期:2024年4月10日(水)〜14日(日) 会期中無休 時間:11:00~20:00 ※4/10(水) 13:00-20:00 4/14 (日)11:00-16:00 場所:Gallery Klyuch (カフェle bois 2F)

4 weeks ago