私が広告に興味を持ったのは大学3年の頃だ。テレビのCMに現れるスーパーヒーローやヒロインたちの冒険物語は私の活力源だった。油絵を描いていても、どのように生計を立てていけばいいかわからなかったし、何よりも油絵で本当に私のいいたいことが表現できるのかわからなかった。
そんな時訪れた「グラフィックアート展」はとても衝撃的だった。シンプルで強くて、かっこいい!これらの作品がどのように作られているのかとても興味があった。私はいつかテレビCMの仕事をしたいと思って、独学で広告の勉強を始めた。
アートティレクター大貫卓也氏は、そんな私の師匠だった。日清のカップヌードルやペプシマンのCM広告は、馬鹿馬鹿しいギャグを物凄くカッコよくやっていた。人間的で奥深いものを漫画のようなノリで15秒間に収めてしまう。 これぞ本当の、「SIMPLE IS THE BEST」だ。
デザイン会社に入ってからも、私は大貫卓也氏の広告のことをよく皆に語った。でも先輩たちの多くは遠い目をするだけだった。それもそうだと思う。華やかな仕事ができるのは恵まれた才能と環境を持った一握りの人たちで、大部分は、やりたいのかやりたくないのかわからないような仕事でお金を追っているのが現状だった。
私は広告業界で華やかなCMを作る夢は叶わなかったけど、その後のデジタルアート制作でそれを叶えている。私が本当にやりたかった夢とは、「人の生活や感情を描く」ということだった。
大貫卓也 ペプシマンのCM
About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール
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教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。
朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。
お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。
大切なものは「その人」を語る。距離が近くて言いたいことを言い合い傷つけあった人たちにも、大事にしているもの、楽しみにしていることがあった。向き合った時の言葉や顔色だけでなく、周辺まで見ると、一個人が立体的に見えてくる。
【個展開催のお知らせ】佐藤智美展〜INSPIRATION 会期:2024年4月10日(水)〜14日(日) 会期中無休 時間:11:00~20:00 ※4/10(水) 13:00-20:00 4/14 (日)11:00-16:00 場所:Gallery Klyuch (カフェle bois 2F)