Categories: アート生活人生

「内」へ向かう芸術

スポンサーリンク

デジタルアートを描き始めてから、自分を深く深く掘り下げてきた。内なる自分を見つめていくことで、自分の核にたどり着けると思っていた。BIRTHを描き上げたとき、そういった思いに一区切りがついた気がした。
BIRTHは、私の代表作として、様々な所へ出ていった。かなりの反響があり、アメリカのアートサイトでは、子供を抱き上げる母親や群がる人たちの象徴するものについて論議され、200を超えるコメントが寄せられた。またヨーロッパのオンラインギャラリーでも注目の作品としてトップページで紹介された。しかしセールスには全くつながらず、コンペでも落選した。

正直、この作品が授賞して美術館主催の個展を開催する時を想像すると、自信がなかった。描いてきた作品のすべてに嘘はないけど、広範囲に披露するには、テーマが重すぎるように感じた。重いテーマが悪いというわけではない。いつか大学のアトリエで教授に「深刻なテーマを扱うには、君の絵は色が明るい」と言われたことがあるけど、あの時の私の方向性は間違っていなかったと思う。テーマも色彩も暗かったら、救いようがないからだ。

心が内へ内へ向かっていくと、生と死の問題にたどり着く。誰もが決して目を背けることはできないこと。しかしできれば、それを見ないでいたいと思う人が多いだろう。
幸せになりたい。ではどういう風に生きていきたのか。私はここから、外へ向かって開いていく必要があった。


佐藤智美 BIRTH 2018


About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール

【TOMOMI SATOS ART WORKS】https://www.ts-artworks.com
【TOMOMI SATOS ART SHOP】https://artworks2017.thebase.in
【TOMOMI SATOS ART BLOG】https://tomomiart.tokyo
【GOOD DAY! GOOD LIFE!】https://lifeupdate.xyz

スポンサーリンク
Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

Recent Posts

岡本太郎記念館に行った。

エッセイを読んで岡本太郎記念館を訪れた。彼のアトリエ兼自宅で、力強くも繊細な作品に触れ、芸術の爆発を感じた。

23 hours ago

父の孤独。

ゴールデンウィークに家族で出かけた際、流行のゲームについて話す夫と娘に疎外感を感じた。家族のバランスを保ちながらも、自分を犠牲にしてきたことに気付き、過去の父との関係性と重なる感情を覚えた。

2 days ago

未来を拓く「純粋性」。

岡本太郎といえば、「芸術は爆発だ」の言葉で有名だ。鮮やかで毒々しい立体や平面作品が印象的だが、本当に人間の生命力とは何かを深く見つめている人だなと思った。

3 days ago

「子持ち様問題」について、もう少し考えてみた。

昨日書いた記事が抽象的で不完全感があったので、「子持ち様」問題についてもうすこし調べてみた。特に職場で子供のために急に休む人のしわ寄せが子持ちでない人にいくことが問題視されているようだった。

7 days ago

「子持ち様」が育てているもの。

ネット上で子持ち世帯が批判される現象について、それが恋愛や結婚への消極的な風潮や社会的な価値観の変化、女性性の解放や新しい生き方の模索とどう関連しているかを探った。

1 week ago

呼吸が止まる時。

空を仰いでいる若者は、勢い余って崖から落ちそうだが、彼の顔には不安も恐怖もなく、好奇心でいっぱいだ。崖から落下するか飛ぶか、可能性は未知数だ。

1 week ago