岡本太郎記念館に行った。

スポンサーリンク

エッセイを読んだら、猛烈に作品が見たくなったので、表参道にある岡本太郎記念館へ行った。生前の岡本がアトリエ兼自宅として使用していた建物だ。そんなに広くなかったが、見応えのある展示だった。

子供の顔、目、針のように尖ったフォルムが繰り返し出てくる。画面は力を持て余した妖怪が怒りながら発散しているようにも見えた。

「芸術は爆発だ」という名言があるが、現代社会のシステムの中で抑圧された生命力をいろいろな摩擦と戦いながら放出してきた岡本太郎の生き方が現れているようにも見えた。

波のように柔らかなフォルムで表現された踊る人々や、丸っこい乙女の彫刻は、力が抜けていて可愛らしい。見るものにあまり考えさせない純真無垢の生命力が表現された彫刻群は庭の生い茂る木々に程よく溶け込んでいて、ほっと安らぐ空間にしていた。

力強さ、毒々しさ、優しさ、可愛らしさが同居した作品群だった。

1 / 6

岡本太郎のアトリエ。「子供を軽く見てはいけない。子供の感受性は微妙だし、鋭い。しかも大人に対しては、いっしょうけんめいなのだ」といっていた岡本は、子供が全身で大人に伝えようとする、怒りや戦い、満足、喜びを細部まで拘って製作しています。力強くて、どこ可愛らしい。


岡本太郎の彫刻が、庭の小さなジャングルにほどよく溶け込んでいます。
こうして見ていると、私が今の今まで持ってきている、最も切実な子供らしさを探したくなる。


岡本太郎記念館の庭にあった彫刻「母の塔」。

白い曲線の塔は、どっしりと安定し寛容な母性を表し、人々は子供のように寛ぎ、楽しそうに踊る。敬愛と歓喜が表現された印象深い作品でした。


言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美」メルマガ登録はこちら

【TOMOMI SATOS ART WORKS】https://www.ts-artworks.com
【TOMOMI SATOS ART】https://artworks2017.thebase.in
【TOMOMI SATOS ART BLOG】https://tomomiart.tokyo

スポンサーリンク
Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

Recent Posts

子供の頃のクリエイティビティを呼び起こす。

高校時代、母から「目立ちたがりだった」と言われて恥ずかしい気持ちになった。社会の圧力で表現力が萎縮されたが、大人になってクリエイティビティの大切さを理解し、表現力を取り戻そうと決意。

3 days ago

名古屋の思い出。

FBで小学校4〜5年の頃に住んでいた名古屋のことが話題に上がったので、思わずGoogle Earthで調べてしまった。私が住んでいたのは名古屋市千種区下方町5丁目。福岡から越してきたのは1979年の4月だった。

1 week ago

「人間の膨らみ」は「頬の膨らみ」

岡本太郎は、社会常識やいわゆる外目線に合わせて自分を変えるのではなく、自分自身を社会にぶつけて傷付いたり成長していくことを「人間が膨らむ」と言っている。良い表現だなあと思う。そこには借り物でない真の喜びがあるだろう。

1 week ago

父の孤独。

ゴールデンウィークに家族で出かけた際、流行のゲームについて話す夫と娘に疎外感を感じた。家族のバランスを保ちながらも、自分を犠牲にしてきたことに気付き、過去の父との関係性と重なる感情を覚えた。

2 weeks ago

未来を拓く「純粋性」。

岡本太郎といえば、「芸術は爆発だ」の言葉で有名だ。鮮やかで毒々しい立体や平面作品が印象的だが、本当に人間の生命力とは何かを深く見つめている人だなと思った。

2 weeks ago

「子持ち様問題」について、もう少し考えてみた。

昨日書いた記事が抽象的で不完全感があったので、「子持ち様」問題についてもうすこし調べてみた。特に職場で子供のために急に休む人のしわ寄せが子持ちでない人にいくことが問題視されているようだった。

2 weeks ago