小学校時代は、母に連れられていろんな美術展を見に行った。画集もよく買ってもらっていて、いろんな作家の画集がアトリエ にあった。ロートレックは母が好きで、私が絵を描くのに行き詰まった時に、画集を開いて私に見せてくれた。でも当時私はロートレックの良さがあまりよくわからなかった。
母はロートレックの何が好きだったのだろうか。
ロートレックの絵を一言で言うなら「お洒落」だ。コクのある黒と黄色、貴婦人の曲線美は、賑やかさと渋さが同居していて、当時のパリ市民の活気のある生活を思わせる。19世紀後半に描かれたポスターだが、古さを感じない。母はこんな、洗練された生活に憧れていたのかもしれない。
子供の頃はあまり意識できなかったが、私もロートレックの色使いの影響を受けているようだ。幼少期に見た展覧会のほとんどは印象がないが、潜在意識には刷り込まれているらしい。
ロートレックは、よくポスターを手掛けており、居酒屋の風景や踊り子の肖像などが多く残っている。たまに行くフランス料理店にも飾られているが、ワインと料理の美味しさを際立たせる絵だと思う。
トゥールーズ・ロートレック Divan japonais 1892
About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール
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教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。
朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。
お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。
大切なものは「その人」を語る。距離が近くて言いたいことを言い合い傷つけあった人たちにも、大事にしているもの、楽しみにしていることがあった。向き合った時の言葉や顔色だけでなく、周辺まで見ると、一個人が立体的に見えてくる。
【個展開催のお知らせ】佐藤智美展〜INSPIRATION 会期:2024年4月10日(水)〜14日(日) 会期中無休 時間:11:00~20:00 ※4/10(水) 13:00-20:00 4/14 (日)11:00-16:00 場所:Gallery Klyuch (カフェle bois 2F)