20代の頃だが、デザイン作業の後、机の上を拭くのにトイレットペーパーを使っていた。大学で油絵を描いていた頃からの習慣で、あちこち汚れる頻度が高いので、掃除グッズは低コストなものを使いたかった。
デザイン会社の仕事中に、切り貼り作業でセメダイン(接着剤)を使った後、自分の机の上を拭くために、トイレからトイレットペーパーを持ってきて使っていたら、周囲にめちゃくちゃ驚かれた。
なんで会社の備品を使うんだよ、自分で持ってこいよ、と今の私ならツッコミ入れたくなるが、当時の私はそんなこと気にならないくらいマイペースだった(爆笑)。
あまりマイペースだと社内のあちこちで摩擦が起きる。デザインの仕事だけでも大変なのに、他人の目なんか気にしていられなかったが、社会はそんなに甘くなかった。てなわけで、一応周囲に気を配り、ちゃんとしようと頑張った。私ってダメな子だなあ〜と思いながら。でも、素の自分で頑張っていると、恥もかくが応援してくれる人も出てくるもんだ。
それから何年かして、仕事がちゃんとできるようになると、会社では会社用の仮面をつけるようになり、机の掃除にトイレットペーパーを使う代わりに、自分で買った箱のティッシュペーパーを使うようになった。なぜなら皆がそうしているからだ。周囲と合わせるようになると、社内で人と親しくなるということが減っていった。
あの時の努力って、なんだったんだろうなあ。
周りに受け入れてもらいたいから、一生懸命周りに合わせて頑張っていたんだけど、変なものに追い立てられていたなあ、頑張れば頑張るほど友達ができなくなっていった。
あんなに頑張らなくても、私はちゃんとみんなから受け入れられていたんだけど、どうしてあの時気づかなかったんだろう。何者かにならなくては将来がない、みたいに思っていた。
結局会社を出てからは、会社で身につけた常識とは無縁になり、仕事も人間関係もその時の感性に合わせて変わっていった。
フリーになってもう20年以上が経つが、仕事も人間関係も、ずいぶんと変遷を重ねた。しかし不思議なもので、こんなに変化の激しい私にも、何十年も付き合いが続いている人はいる。
友達とか仲間って、作ろうと思ってできるものではない。突然、思いもよらぬところで出会う。人間って、やっぱり動物なんだな。その時の自分に必要な人を本能で嗅ぎ分ける。そうして繋がった人は良くも悪くも私に多大な影響を与えた。
なんでも頭で考えすぎない方がいいんだろうな。その時とっさに選んだことが、後になって、正解だった、バラバラだったものが全部繋がった、ということは何度もある。後先どうなろうと、周囲がどう見ようと、その時やりたいと思ったこと、好きだと思ったものは、私にとって正解なのだ。
ルネ・マグリット「デカルコマニー (1966)」 《Décalcomanie, 1966》
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