私を丸ごと委ねる至福。

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我が家の食卓の時間は賑やかで、テレビを見ながらお茶菓子をつまみ、ジョークを言い合って笑っている。平和なのだけど、時々、娘とつるんだ夫が「ママはわかってくれない」とどさくさに紛れて、ぽろっとこぼす時がある。

先月メガネをなくしたので、老眼鏡と遠近両用眼鏡を買ったら、「俺ももうそんなに長く働けないから、質素に生活することを心がけてね」と言われた。先月はちょっと出費が多かったが必要経費だった。老後の資金や、色々と心配事があるのかなと思った。

「働かないでいいよ」と夫は言ってくれるのだが、このまま何もしないで絵だけ描いていようとは思わない。ちゃんと仕事につなげたいのだが、多額の経費を使って展示活動するのはコスパが悪いし、何よりも、人に会って承認されることにモチベーションが上がらない。これはやばいだろうか。

あれこれと考えることに疲れた。それよりも至福の瞬間を拾って遺しておきたい。そんなことを考えて、日常に集中したらアイデアがどんどん出てくる。今は一作品の制作には時間をかけない。思いついたことを形にしていくことで、私の中のいろんなことを明確にする。


昨晩は友人とチャットで、男女の違いについて話していた。
男は愛する女の奴隷になりたい、と聞いてびっくりした。私は男を奴隷にするなんて考えたことはなかった。むしろ、愛した男には自由に生きてもらいたいし、それが愛だと思っていた。

でもその根底には、子ども時代に、家に縛られて不満を溜めた母が我が儘で家族のエネルギーを吸い取るのを見てきたからか、愛のために人の可能性を奪うことだけはしたくないと、ずっと思っていた節がある。


私の中には、7〜8歳の少女がいる。福岡に住んでいた頃の私だ。
学校のテストで悪い点数を取っても、先生に怒られても、友達と喧嘩しても、努力して上手くやらなければなんて思わなかった。近所の山や田んぼで大きなカエルや綺麗な花に出会うことが何よりも刺激的で、自然の神秘を知るたびに、身体中が幸せだった。

ストレスが溜まった時にこの少女が来て、私に花をくれる。晴れても曇ってもいない乳白の空と、地平線まで続く青い草原に私はいて、柔らかい風に向かって走り出す時の、吸い込まれるような感覚が好きだ。心地よく、自分を委ねていける。

「どんな時が一番至福ですか」と聞かれて、「カラオケやっている時」とか、「美味しい物を食べる時」とか、答えていたけど、本当の至福は、こんな瞬間なのではないかと思う。でもこのことは人に言っていないし、自分でもあまり意識していなかった。

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Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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