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作品を「世に出す」ということは。

note創作大賞の受賞者と編集者によるトークイベントに参加した。私は今、小説を書かないけど、受賞者がどのように作品を書き、出版社がどのように受賞作を決め、本を作っているのか知りたかった。

受賞者の二方は面白い方達で、一方は初めて小説を書いたという方、もう一方は実力がありそうだったが、ネットではあまり読まれない、という方だった。しかし、タイトルとあらすじは読者に興味を持ってもらえるよう工夫を凝らしているようだった。

編集側は、選考時、読みたいと思った作品しか読まないらしい。一次選考を通過した作品は、出版社側で本にしやすいかどうかを検討しているようだった。
編集者が作家のことを「クリエイター」と呼んでいるのが新鮮だった。本の制作時には出版社の営業やデザイナーなど様々な人が絡んでくるので、そうした人たちの意見を柔軟に受け入れて制作してくれる人が好まれるという。

全体の印象として、公募とは就職試験と一緒で、主催者側が新しい仕事仲間を探がすようなものなんだな、と思った。


ギャラリーで展示していた時に、よく画家仲間から「画廊が絵にいろいろ注文つけてくるのが嫌だ」というのを聞いたことがある。こだわりの強い作家は画廊所属を嫌いインデペンデントでやっていく人も結構多い。(自分もそうだが)


視聴者側から「売れる本を狙って書いているのか」という質問があり、受賞者がこう答えた。
——作家が売れるものを狙って書こうとしても、一人でやるには限界があるから、登竜門は好きなものを相当な熱量で持って書いた方が伝わりやすい。実際に世に出すなら、出版社があらゆるノウハウを使って世に出してくれるから。

広告制作会社時代、デザイナーがコピーライターや営業やクライアントの意見を汲んでデザインをしていた。本作りもチームプレイなんだな。パブリックになればなるほど、そうなんだ。私感だけでなく、世に出すために伝えたいことに責任を持って、表現に筋を通して制作しなくてはならない。

仕事として割り切ってしまえばいいんだけど、共作って苦手だったのは、私が自分の世界から抜け出るのが怖かったからだ。自分の大事なものを取られてしまうような気がして。本気で人や社会を知ろうとしていなかったのかな。

自分の世界から一歩でようとすると、他人の感覚がこそばゆい感じで入ってくる。柔らかい産毛にダイレクトに刺激物が入ってくるような。
昔ほど暖かくない、乾いた、忙しない空気感。今は令和だ。めまいがする。

今までのものを捨てて一歩外へ出た時は何度かあったけど、自分を失ったことはなかった。その代わり入れたものは、他人、仲間、社会への親愛と敬意だ。


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