三岸節子の絵を見ていると、「孤独」というものが決して恐ろしいものではなく、より神の息吹に近づくことではないかと思う。
ピカソの「青の時代」の作品。友人が失恋のために自殺し、深い悲しみの中でこの作品が生まれた。作品には「人生(ラヴィ)」という題名がついているが、この男性は対峙する女性に何を見ていたのだろうか。
クリムト を知ることになったのは17〜18歳の頃だ。一つの塊になった男女のフォルムと、女の恍惚とした白い顔、肉体の塊から地へ流れていく宝石の様な装飾が印象的だった。
ゴッホの作品群はゴッホの人生履歴だった。生活していた部屋や街の風景も、彼が日常に感謝していたことは、鮮やかな色彩の作品を見れば分かる。
ムンク の「思春期」のモデルになっている裸の少女は、背後から忍び寄る影に怯えながら画家を見つめている。聖か邪かわからない、使い方を誤れば自分を殺しかねない力を、どう扱えばいいかわからず怯えている。
ロートレックの絵を一言で言うなら「お洒落」だ。コクのある黒と黄色、貴婦人の曲線美は、賑やかさと渋さが同居していて、当時のパリ市民の活気のある生活を思わせる。