大学受験の時はたくさんの木炭デッサンを描いたが、描くことを楽しめてはいなかった。
予備校でも学校でも、「絵を描くことを楽しんでください」と言われていたが、ほぼ毎日のように美術大学の受験対策の話をされていては、まるで大学合格が私に課せられた使命のように感じられて、とても楽しむどころではなかった。美大に受からなければ未来はないという思い込みから、先生の受験対策を素直に受け入れて絵を描いていた。
これは、大学に入って第1作目の木炭デッサン。高い天井のアトリエ で、光を浴びた石膏像の冷たい肌触りと、春の風の柔らかさをまだ覚えているのは、私自身も一つのハードルを超えて、安堵の中で描いていたからだと思う。
佐藤智美 デッサン 木炭 紙 1988
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ネット上で子持ち世帯が批判される現象について、それが恋愛や結婚への消極的な風潮や社会的な価値観の変化、女性性の解放や新しい生き方の模索とどう関連しているかを探った。
教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。
朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。
お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。