私たちが日常でで最も「豊さ」を感じるのは、食の時間だ。
食べるときは、欲望が開く。この時を目一杯楽しみたいから、窓を開けて外の景色を見たり、テーブルセッテイングを工夫してみたりする。レストランで外食する場合は、メニューだけでなく、店の雰囲気もチェックする。野外で自然を見ながら、野菜や川魚を焼いて食べるのも心地よいだろう。
欲望が満たされると、体がリラックスして、家族や友達との会話が弾む。自分の近況を伝えたり、友人の武勇伝を讃えたり、苦労話に共感したりしているうちに、暖かい一体感が生まれる。これは至福の時間だ。
今まで私はこんな時をいくつも持ってきた。こんなふうにして友達や家族と絆を築いてきた。楽しい食卓は幸福の象徴だ。
この記事を書くために、アイキャッチにする名画を探したけれど、なかなか見つからなかった。今まであまり描かれなかったことに驚いた。
これから私が描かないとなあと思う。
ポール・シニャック『朝食』1886-1887年
About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール
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教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。
朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。
お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。
大切なものは「その人」を語る。距離が近くて言いたいことを言い合い傷つけあった人たちにも、大事にしているもの、楽しみにしていることがあった。向き合った時の言葉や顔色だけでなく、周辺まで見ると、一個人が立体的に見えてくる。