心はミステリー、人間は「球体」。

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夫は肖像画が嫌いで、「家に絶対飾るな」という。絵の中の人物に見られているようで怖いそうだ。20年ほど前は、私が描く人物画を、普通に「いいね」と言ったものだが、今は怯えたような反応をする。
ちょっと病的な感じもするのだが、私も今、自閉症絵画が苦手だ。画面いっぱいに細かい模様が描かれている絵を見ると、虫とか菌が密集しているようで蕁麻疹が出てくる。SNSなどに表示された場合は、申し訳ないが非表示にさせてもらっている。

突然センシティブになる心

昔はこんなふうに感じなかった。昔といえば、2〜3年前だろうか。当時と今の違いがあるとするなら、まだ自分のことに集中できていた。なぜ今の私はこんなにセンシティブなのか。ここ2〜3年の出来事から、私の感性が良くも悪くも開いたのかもしれない。

今のところ健康に関わるほどでもないが、生活に影響がでることもあり専門機関(精神科など)にかかったことがある。医者はシンプルな回答と薬を出すだけだ。カウンセラーも、うんうん話を聞いてみるだけで、「これから続けましょうか」と料金表を見せられると躊躇する。
こんな感じで大体の人は、心の状態を放置してしまうのかもしれない。

嫌いなものが教えていること

いつだったか、可愛らしくて無邪気な女性とお付き合いしているうちに、だんだん自己嫌悪に陥って体調を崩したことがあった。当時、理由は混沌として分からなかったが、処方箋を飲んで、その女性とは正反対の、男性性の強いもの(マンガのキャラクターなど)に触れていたら、回復してきた。
後で心理学を学んでわかったことだが、幼少期のトラウマが関係し、コンプレックスを刺激されたことで隠れていた個性が出てこようとしたが、顕在意識の方でがうまく受け入れられずに強い葛藤が生じたようだ。

今は私は自閉症アートが苦手だが、アメリカのPOPアートが好きで、自分の作風に取り込んでいる。コロナで活動が制限され湿っぽく縮こまりがちな日常を軽やかに飛び越えたいからだと思う。

繰り返される「破壊」と「創造」

心は海のようにミステリーだ。表面は穏やかな波で覆われていても、海底には美しいサンゴ礁があり、色鮮やかな小魚が卵を産み、獰猛な生物が食い合ったりして、創造と破壊が繰り返されている。海底火山が噴火すれば、私たちはイライラし、怒りをあらわにするし、人工船が難破し海底に沈むと、悲しくなったり傷ついたりする。そして、しばらくすると、鎮まる。

私たちの奥底に潜んでいたものが、突然の出来事によって表面化するが、それは、新しい人生の扉を開くチャンスだ。
痛みの根源と向き合うことで放置されていた傷が癒えていき、心が自由になると、いろんなものから栄養補給をしていくことで、混乱は収まっていく。見えなかったものが見えるようになり、新しい人生が始まるだろう。

大切な人に何ができるか

最近は、身近な人がいきなり怒り出しても泣き出しても「何かに反応して現象が起きている」と、穏やかに見ることができるようになった。私たちの中では、ある時は嵐が起き、ある所では春風が吹く。そして時が過ぎれば、収まる。

人間は、「球体」だ。どこから見ても丸い。それが真理だ。
火山が噴火しようと、春風が吹こうと、その人自身の人生を生きている。私たちが大切な人にできることは、人生のステージをうまく脱皮して幸せを掴んでいけるように見守ることだろう。


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Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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