大学2年の芸術祭で友人たちとグループ展をやった。私はF30の油彩2作品と、1作品はB1パネルに蛍光ポスターカラーで当時大好きだったロックシンガーの浜田麻里をグラフィック的に表現し「エンジェル」とう題名をつけて展示した。そうしたら、どういうわけか油彩よりも、このグラフィックイラストの方が評判が良くて、拍子抜けしたのを覚えている。
「エンジェル」の写真を撮ったと思うが、見当たらないのが残念だ。当時は油彩にエネルギーを注ぎすぎて疲れたので、少し楽に描いてみようという気持ちだった。芸能人のポートレートイラスト なんて、美大の講評会では持ち込み厳禁だったし、芸術祭なんだから自由にやっていいや、と、浜田麻里の歌を聴きながら楽しく描いた。
蛍光色を好んで使ったのは、私の感情を注入できたからだ。絵だけでなく、着る服も赤や黄色など派手な色を好んで着ていた。
体に回るエネルギーにしたがって描いていると、そのエネルギーは真っ直ぐに観る側に届く。頭で考えることに力を入れると、絵が重たくなり色彩も沈んでいく。
昔「鳥人間コンテスト」という、自作の飛行機を海上で飛ばして飛距離を競う番組があった。軽くてシャープな機体の飛行機は、遠くまで飛んでいけたが、いくつも機能を積んだ飛行機は重みに耐えきれずに直ぐに墜落していた。
年齢を重ねると、思いが表現に込められ深みや重みが出てくる。それはそれで良さがあるが、深さや重さは、観る側にも知恵や経験がいる。そのようになっていくのは、自然の流れなのだが、アートを飛行機に例えるなら、軽い方がよく飛ぶし、シャープである方がカッコいいな、と私は思う。
年齢を重ねて作品が若返ったアーティストは沢山いる。ピカソ とか田中一村とか。
Simple is the Best.
届けたい思いを一つだけ選んで遠くまで飛ばす。
そのために自分を脱皮し続けていくのは、意味があることなんじゃないかな。
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昨日書いた記事が抽象的で不完全感があったので、「子持ち様」問題についてもうすこし調べてみた。特に職場で子供のために急に休む人のしわ寄せが子持ちでない人にいくことが問題視されているようだった。
ネット上で子持ち世帯が批判される現象について、それが恋愛や結婚への消極的な風潮や社会的な価値観の変化、女性性の解放や新しい生き方の模索とどう関連しているかを探った。
教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。
朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。