時々わかりやすく欲望を放出している人がいる。「寂しい」「愛されたい」「退屈でたまらない」と言いたいけれど言えずに無理に真面目にしている人を見ると、ついつい手を差し伸べたくなる。なぜって、そのような人がどうしたら喜ぶかを私は知っているし、喜ぶ顔を見ると興奮するからだ。
当然、「もっともっと」はエスカレートして、私の「あげたい」も、急加速していく。
これってまさにエクスタシーな展開で、私の中で卵の殻が壊れ、まあるい黄身が出てくるようだ。おそらく相手も同じだろう。
実際の人間関係でこのようなことが起きる場合、バッドエンドになることの方が多いのだけど、人であれ芸術であれ、仕事であれ、卵の中から黄身が出る、という覚醒的な瞬間を、多くの人は求めているのではないだろうか。
出てきた黄身がひよこに育つ時、今までの呪縛から逃れて、新しい視点で世界を眺められるようになるからだ
言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美」メルマガ登録はこちら
【TOMOMI SATOS ART WORKS】https://www.ts-artworks.com
【TOMOMI SATOS ART】https://artworks2017.thebase.in
【TOMOMI SATOS ART BLOG】https://tomomiart.tokyo
教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。
朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。
お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。
大切なものは「その人」を語る。距離が近くて言いたいことを言い合い傷つけあった人たちにも、大事にしているもの、楽しみにしていることがあった。向き合った時の言葉や顔色だけでなく、周辺まで見ると、一個人が立体的に見えてくる。
【個展開催のお知らせ】佐藤智美展〜INSPIRATION 会期:2024年4月10日(水)〜14日(日) 会期中無休 時間:11:00~20:00 ※4/10(水) 13:00-20:00 4/14 (日)11:00-16:00 場所:Gallery Klyuch (カフェle bois 2F)