Categories: 人生日常

「わかって」と言うことは、幼稚ではない。

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家族で温泉旅行へ行ったのだけど、あまり楽しめなかった。旅行直前に仕事でちょっとショックなことがあって、引きずってしまった。私が期待していた展示がうまくいかなかったことと、ターゲット設定を間違ってしまったため、売り上げが予測できずに落ち込んでいた。

一方娘は文化祭で、自分のデザインしたグッズを、売り方やデザインにも工夫を凝らして完売させたというから驚いた。自分の娘ながら、「こいつ、すごいかもな」と思った。
娘は有頂天で、爺婆の家でもテンション150%アップだった。3人旅行だが夫と娘が喋りまくりで私が入れなかった。それが気に障り、私は旅行中不機嫌だった。
子供染みているな、と自分でも思ったけど、私だって、弱くなることもある。いつも、立派な母、妻ではいられない。

通常ならこんな感情を持った自分を受け入れられなくて、口を閉じたまま何処かへ逃亡することを考えてしまうけど、今日の昼間、夫にそのことを打ち明けてみた。

夫は「なんだ、だからお前、あの時怒ってたのか」と笑って、「大人なんだから会話に入ってこなきゃだめだよ」と言った。
私は安堵と失望を感じながら、その話題から去った。

なんで大人であることを要求するのよ、と思った。
そして、よくよく考えてみると、私から、大人であろうとしてきたことに気づいた。可愛くない大人に。

子供が生まれてから、私はしっかりした母親であろうとして、自分の甘えたい心を押さえつけてきた。
だから、夫も私には感情をあらわにしなくなった。言ってもわかってもらえない、と思っているんだろう。

そういえば電話のバイトをしていた時に、上司に「どうして優しい「はい」がいえないの?」と言われたことがある。当時はすごく頑張っていたのに、なぜそんなことを言われるのかわからなかった。

一見優しい人でも、本心で大切に扱っていないとわかると、深い疎外感を感じてしまう。
なぜって、その人は、「きちんとやる」ことで、自身を防衛しているからだ。こちらが本当に感じていることなどわからないし、わかろうともしていない。

心の声は、言葉では届かない。自分を防衛している人は、本当の心には触れたがらない。そもそも「わかって」と言うこと自体を、幼稚な行為だと言う人は、自分にも他人にも深く触れようとしていないのだ。
子供心でいられるからこそ安心だし、楽しいし、癒されるのだから。

私はそういえば、少女の頃から「わかって」というと咎められていた。なぜって、親が私にわかってもらいたがっていたから。
そうやって自分の本音や生きるための力を内に押し込めてきてしまった。それはもうやめなくてはならない。

今自分の閉じられた扉を開いて「わかって」と言える人や場所を探さなくてはならない。


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Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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