人物を描いていても、一貫して自然を描きたかった。自然の一部である人間。その象徴として「愛」を描きたいと思っていたけれど、決してきれいな絵にはならなかった。
ムンク の「思春期」のモデルになっている裸の少女は、背後から忍び寄る影に怯えながら画家を見つめている。聖か邪かわからない、使い方を誤れば自分を殺しかねない力を、どう扱えばいいかわからず怯えている。
宇佐見りんの「推し、燃ゆ」を読み終えた。21歳の若手作家が書いた芥川賞受賞作。「推し」という言葉が今っぽい。私の娘もアニメキャラクターの「推し」を熱心に愛でているので、「推しを愛でる」という気持ちがどういうものか興味があった。