海外のアーティストやギャラリーとのコラボレーションは新しい可能性を見つける良い機会だ。これはNY在住の写真家、Anthony Arkoreca氏とのコラボ作品。Arkoreca氏のリクエストで、彼の撮った写真を9枚使って絵を描くことになった。写真は凍った水たまりの写真。どれも表情が面白く、私は9枚を組み合わせて複雑な模様を作り、私の人物画と合成した。背景素材はいつも1枚しか使っていなかったが、複数組み合わせることでより深みのある背景に仕上げることができた。使う素材と、その枚数によって絵の持つエモーションに独自性を加えることができたのは良い発見だった。
佐藤智美 THE PAST 210×280mm 色鉛筆・アクリル絵の具・フォトコラージュ 2018
そういえば最近、イタリアでの展覧会に参加するにあたって、作品の送料を節約するために、印刷をギャラリーにお願いすることになった。いつもデジタルイメージをアート紙に印刷して額装するスタイルだが、ギャラリー側で提示してきたのは、アルミニウムに印刷し、額装せずに展示する方法だ。
アルミニウム印刷は日本ではあまり見ない方法だが、仕上がりは綺麗だった。写真の展示方法としてヨーロッパでは浸透しているらしい。いつも印刷しているアート紙に額装だと、現代美術作品と並べて展示された時、まとまりすぎて弱いと感じていたが、アルミニウムの光沢感は作品に奥行きを与え、額装なしで展示すれば存在感も出るだろう。価格もアート紙よりかなり安い。私は今展覧会でアルミニウム印刷を試してみようと思っている。
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教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。
近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。
朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。
お宝鑑定団で初めて鴨居玲という画家を知った。ゴッホと同じ自画像作家として有名だが、幽霊のようなピエロのような自画像を見ていたら、目を背けていたものにまざまざ向き合わされたようだった。
大切なものは「その人」を語る。距離が近くて言いたいことを言い合い傷つけあった人たちにも、大事にしているもの、楽しみにしていることがあった。向き合った時の言葉や顔色だけでなく、周辺まで見ると、一個人が立体的に見えてくる。
【個展開催のお知らせ】佐藤智美展〜INSPIRATION 会期:2024年4月10日(水)〜14日(日) 会期中無休 時間:11:00~20:00 ※4/10(水) 13:00-20:00 4/14 (日)11:00-16:00 場所:Gallery Klyuch (カフェle bois 2F)