NFTは世界を変える。

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先日マーケッターのコンサル を受けたときに、「作品をNFTにしないんですか?」という話になった。
まだよくわからない世界だったので保留にしていたが、「佐藤さんはデジタルだから、NFTにした方がいいんじゃないですかね」と言われた時、何か腑に落ちた気がした。

希少価値を証明するNFT

NFTとは、大まかに言えば「Non-Fungible Token(ノン-ファンジャブル トークン)」の頭文字を取ったもので、日本語で「非代替性トークン」という意味らしい。非代替性は、「替えが効かない、唯一無二の」トークンは、ブロックチェーン技術を使用して発行した「暗号資産」の総称のこと。したがって、NFTとは、「替えが効かない唯一無二であること」を「ブロックチェーン技術を利用して証明」する技術をいう。ブロックチェーンによって作品と所有者が紐づけられるので、贋作やコピーの防止にもなる。

NFTを使って作品を売買すると、購入者が所有権を明確にできるとともに、作品にまつわるいろんな権限を付与される。例えばアイドルのファンクラブに入ると、CDやコンサートの先行予約とか握手会とかいろんな権利が付与されるけど、それと同じ原理だ。この原理を利用して様々なビジネスが可能性が考えられ注目度が上がっている。

ブロックチェーンによって「希少価値」が証明され、最近では、とても美術といえないようなものが高値で落札されているので、美術家以外の人もNFTアートの世界に参入しようとしている。そんなに何でもかんでも、アートになるのか。物が売れるか否かは、ほとんど時代の気分なので、高値で売ることを目的としてしまうと、今度は商品と芸術の紐付が甘くなるのではないだろうか。(私はアーティストなのでまずそれを考える)
そもそも購入者は、アートの何に価値を感じて購入するのだろう。

デジタルが伝えるもの

銀座で展覧会をしていた時、「これは手描きじゃないから」とか、「絵具じゃないから」という理由で購入を断られたことがよくあった。だからデジタルアートも手描きっぽく見えるように描き方を工夫したこともあったけど、今はそれも大して意味がないなあと思う。
作品がデジタル化され、オンラインに上がると、手描きかデジタルか、なんてことは、あまり重要ではなくなる。細やかなところは拡大しないと見えないし、画肌とかマチエル以外の何かが、作品を強く語り出すからだ。

私は子供の頃に影響を受けた漫画を大人になって全巻買い揃えた。絵柄というより、主人公の生き方や物語に惹かれていて、辛いときにはいつも思い出していた。
40年以上前の漫画やアニメの原作は、今だとかなり高値になって、手に入れるのが大変だけど、本棚に置いておくと、読みたくなったときにすぐに手に取れ、人生の局面で挫けそうになったときに、励ましてもらえる。

本当に心に響くものは、必ずしも目に見えるものではない。アートにしても、絵具やマチエルの技法では語れない何かが、知らないうちに私たちの根底に突き刺さり、人生や社会を変えていく。

「承認」から「融合」へ

日本にインスパイアされたらしい海外のアニメを見た日本人が「日本ってそうじゃないよ。彼らに本当の日本を教えてあげたい」と、新しいビジネスを考えているという。
それを聞いた私は、少し衝撃を受けた。「教えてあげる」という発想が、斬新だった。

私は、他の人と同じ世界を見ても「捉え方が違ってあたり前」と、違いをそのままにする。「本当の日本を教えてあげたい」という積極性は、世界に対して「開いている」と思った。そういう係わりが簡単にできちゃうって、すごい。この交流欲求こそが、個性の「承認」から「融合」へ、世界を変えていくだろう。

NFTもそんな交流欲求の強い人たちによって作られたものではないだろうか。
私は海外展示によく参加するのだけど、デジタル化、バーチャル化した方がコストもかからず、広範囲の人に見てもらえるので、圧倒的に集客率、販売率が上がる。そしてこれからは、デジタル表現の可能性がが美術的価値の基準に影響していくかもしれない。
ムービーでも作ろうかな、と、ちょっと思った。

About TOMOMI SATO〜人生開拓アーティスト佐藤智美 プロフィール

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Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

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