フレームを外す。

(前回の記事の続き)
私はなぜ美大の講評会に浜田麻里のグラフィックアートを持っていけなかったのだろう。持っていけば、それなりに周りを楽しませたかもしれないのに。

私がやっていることは誰もやっていなかったので、ゴールが見えなかった。エネルギーを放出しっぱなしというのは嫌で、権威なる人に着地点を見出したかったが、そもそもインスパイアされているのが大衆芸術だったので無理があった。

卒業間近の頃、担任の先生の個展に伺った時に「君は画家に向いていない、教師に向いている」と言われた。
先生の話によれば、芸術家に必要なのは芸術性であって、人間性ではないという。

「美大を卒業しても80%以上は美術をやめるよ。皆、生活の方が大事になるから。この学年には良いのはいない、一年下にはいいのは少しいるけどね」と先生の口から聞いた時は、美術家の本性、というか、生きている世界を垣間見たようで怖くなった。

当時は、変なフレーミングがあったな。「人間」というフレーミングと、「芸術家」というフレーミング。親や学校から教わった固定概念。フレームの中で頭を回転させているかぎり、私らしく呼吸ができない。斬新な作品も生まれない。先生は多分、そこを言いたかったのだろう。

フレームを外して、素直に楽しんでいれば、私のエネルギーは好きなように踊って、必要な人に届いたかもしれない。


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