「いいね」の真意。

スポンサーリンク

先日、某ギャラリーのワイン&アートセミナーに出かけた。値段の違うワインを3つ試飲し、どれが一番高いかを当てるワークをしたら、一番美味しいと感じたワインが一番安く、一番美味しくないと感じたワインが一番高かったことには驚いた。

アートの歴史や社会的評価についてのお話を聴いて、ギャラリーの推し作品を鑑賞した時、今、私は得体の知れない大波に流されて、大陸から遠く離れてしまったような、心細さを感じた。
一人で街へ出ると、街の空気に違和感を覚える。新しい世代の呼吸に緊張する。不快なわけではない。不慣れなのだと思う。

コロナ禍以降、SNSの普及が進み、アーティストはインスタ映えを競い、バズったら売れる。でも、これもあと5年したら、どうなるかわからないな、と思う。だってSNSの「いいね」って、マイクのスイッチを入れるくらい簡単だから。真意がどうなのか、意識しすぎるのも嫌で、しばらくSNSを離れようと思っていた。

高級なギャラリーで展示されている作品を見ても、「数年後は売れているかわからないな」と思う時は多分、私はその作品に魅力を感じていないのだと思う。でも、旬の作家さんは、時流に乗って一人でも多くの人に所有されるためにひたすら頑張っているのだろう。私とはスタンドポイントが違うのだ。

人の評価は移ろいやすく、社会情勢によって、アートの評価も左右される。「ウケ」を狙い続ける生き方もあるが、私は作品と共に成長していきたい。そうして集まった「いいね」は、創り手の血肉になっていくと信じている。

まずは内観して足場を固める。しっかりと社会を見て、誠意を込めて伝える。ちゃんと届けるためには、人の目に触れる所から降りてはいけないんだ。


言葉とアートで人生をブレイクスルーするフリーランス画家 佐藤智美」メルマガ登録はこちら

【TOMOMI SATOS ART WORKS】https://www.ts-artworks.com
【TOMOMI SATOS ART】https://artworks2017.thebase.in
【TOMOMI SATOS ART BLOG】https://tomomiart.tokyo

スポンサーリンク
Tomomi Sato

東京在住のアーティスト。理解しがたいものを理解し受け入れるために書いています。自由でスピリチュアルな風の時代に、私の気づきがお役に立てればと思います。

Recent Posts

「子持ち様問題」について、もう少し考えてみた。

昨日書いた記事が抽象的で不完全感があったので、「子持ち様」問題についてもうすこし調べてみた。特に職場で子供のために急に休む人のしわ寄せが子持ちでない人にいくことが問題視されているようだった。

18 hours ago

「子持ち様」が育てているもの。

ネット上で子持ち世帯が批判される現象について、それが恋愛や結婚への消極的な風潮や社会的な価値観の変化、女性性の解放や新しい生き方の模索とどう関連しているかを探った。

1 day ago

呼吸が止まる時。

空を仰いでいる若者は、勢い余って崖から落ちそうだが、彼の顔には不安も恐怖もなく、好奇心でいっぱいだ。崖から落下するか飛ぶか、可能性は未知数だ。

2 days ago

「陽キャラ」と「陰キャラ」。

教会で牧師さんと話していて、「ほとんどの人は欲でものを言い、動いていますね。愛って、あってないようなもの」と私が言ったら「大半の人は反射神経で喋っています。愛とか思いやりとか、深く考えない」という返答が返ってきた。

2 weeks ago

地に足をつけて、天を見上げる。

近頃周りでも、定年を迎えた夫婦の家庭問題や健康、金銭問題の話を聞く。生活レベルを落とした時に表出するいろいろな問題に誰もが諦観的なのは、老いて体が動けなくなってからでは打つ手がないからだろう。

2 weeks ago

変わっていくものと、変わらないもの。

朝起きると、和室の茶色い柱と漆喰の壁が目に入る。ちょうど私が結婚した27年前も同じものを見ていた。いつも彼と一緒にいた。そうすることでやっと生きていた自分は目に映るものがとても新鮮だったことを思い出した。

4 weeks ago