年金という言葉が身近になって、将来のために貯金をしようという話が、どこの家でも出ているのだけど、何が起きるか分からない先々のために、お金にしがみついて生きる日々ってどうなんだろう。
私の中には、7〜8歳の少女がいる。ストレスが溜まった時にこの少女が来て、私に花をくれる。晴れても曇ってもいない乳白の空と、地平線まで続く青い草原に私はいて、柔らかい風に向かって走り出す時の、吸い込まれるような感覚が好きだ。
隣に一人で住んでいた高齢の男性 Nさんが亡くなった。90歳だった。ご家族は「最後まで一人でいたい」というNさんを尊重していたという。報告を聞いた時、私は不思議と静かな気持ちになった。ああ、無事に天国へ行けたんだなあって。
友達もフォロワーもたくさんいて、常に社交的でビジネスもうまくいっている人に、「なぜそんなに人と一緒にいたいの?」と聞いたら、「寂しいから」という言葉が返ってきた。
心の空虚に何かがスポンとハマって、魂ごと持っていかれてしまうようなことって、よくあるんだよね。人間の意識は恐ろしいもので、空虚や不安を見続けていると、それが前提の人生になってしまうのだ。
「来て直ぐ帰ってしまう人は、あなたじゃなくてもいい人。自分から行けずに、あなたが赴いて助けてあげる人が、あなたの顧客になる人」と言われて、そうかもなあ.....と思った。
あの時の努力って、なんだったんだろうなあ。周りに受け入れてもらいたいから、一生懸命周りに合わせて頑張っていたんだけど、頑張れば頑張るほど友達ができなくなっていった。
母なる大地への憧れ。これまで何度も絵のテーマにしてきたけれど、いくら描いても渇望は止まない。それでも私は、いつか自分を全て投げ出せるような場所に辿り着きたいと思う。