三世紀前の箱根。歌川広重によって描かれた東海道にある53名所の一つ。中央に聳えたつ断崖絶壁と遠景に抜ける山々をリズミカルに彩る緑、墨色、茶色、青。暮れていく空の下に白く霞む富士山を見ながら、旅人は山原に腰掛け1日をねぎらう。
江戸と京の間の距離は487.8km。当時、車も電車もないので、徒歩の旅だ。(旅籠なんかもあったようだが籠を運ぶのは人間だ。偉い人は馬に乗っただろうけど)。しかしながら、まだ整備されていない、この長く険しい旅路を、江戸時代の人は、どのように見ていたのか。途中で山賊に襲われたりするかもしれないし、足を鍛えた人でないと辛い旅になるだろう。特に女性の一人旅なんて、自殺しにいくようなもんだ。
でもこの時代の浮世絵には、そういった気負いや悲壮感が見えない。
東京の両国にある大江戸博物館で歌川広重の「東海道五十三次」を見ることができるが、めまぐるしく変わる旅の景色を、大胆な構図と優美な色彩で捉え、自然に寄り添い生活する人たちを活き活きとユーモラスに描いている。質素ながらも自然と調和した生活を楽しんでいた人々の姿が窺える。
歌川広重「東海道五十三次」箱根
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