おんな同士

24〜5歳の時だった。両親と箱根に旅行した時に、ちょうど美術館でマリー・ローランサン展がやっていた。柔らかい色彩の、どこか憂いを抱えた女性像、画面の中で寄り添う女性たちの甘やかな感触と、美術館の窓から見えた芝生の輝くような黄緑に、かけがえのない平和を感じたのを覚えている。

マリーが多くの女性像を残したのは、女性をこよなく愛していたからだ。男性と恋愛や結婚したこともあるが、うまくいかず、マリーの最期を看取ったのは、彼女と同居していた家政婦だった。

私は、単身の女性像より群像が好きだ。二人、三人で寄り添う女性たちは互いをいたわり支えあっているようで、遠い昔になくしたものを思い出させてくれる。

女性は歳を重ねていくうちに、毒々しさを身につけていく。愛や欲望を知って、たくましくなっていくけれど、マリーの絵には、そういったものはない。柔らかな光にふんわりと馴染んで消え入りそうな悦びと優しさ。まだ幼い頃、初めてできた友達に寄り添った時の、髪を撫でていく風と光、甘やかな感覚を思い出す。こんなふうに自然と一体になれた日々を懐かしく思う。

マリー・ローランサン キス 1927年


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