やさしい雨と森

夕方買い物にでかけると、小雨が降っていた。歩道脇の街路樹はしっとりぬれ、街は灰色にうなだれる。雨が降ると街がやさしくなり、生き急ぐ人の荒立った感情をなだめる。

いつも身近にあった。高校から駅まで20分の通学路。中学の部活で走りこんだ後の家路、大学のアトリエの庭。学生の義務に力を尽くした後、ほっと一息ついて自分に戻る時、おかえりって、迎えてくれる。森の木々は呼吸をしていた。雨は、成長を続けるものへの天からの恩恵だ。濡れた木々の湿った吐息と土の匂いは、肉体を自然へ帰化させる。

東山魁夷の風景画を見ると、日本人は繊細だと思う。自然の微妙な呼吸を感じ取る感性のゆたかさは、穏やかな気候の中で四季を見てきた日本人ならではのものだろう。この自然の呼吸を、私もデジタルで表現しようとしたけど、東山魁夷の日本画の筆捌きには敵わない。日本の伝統絵画には、私達が古来から感じてきた美が集約されている。穏やかな自然とともにある日常への感謝がそこにある。

東山魁夷 「山嶺湧雲」リトグラフ 1998年


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